では次に、回答方式のバリエーションを見ていきます。

●選択肢から答えを選ぶ:
 クイズに対する答えを、3択や4択で用意しておき、どれが正しいか、なぜそれが正しいかなどを答えてもらう形式です。

●間違い探し:
 教えたい内容について数行の文章を用意します。その文章の中に数カ所、間違いを入れておいて、参加者にその間違いがどこなのかを見つけてもらう方法です。さらに、正しい文言や数字がなんなのかを考えてもらうことも可能です。

●穴埋め予想:
 配布資料に書かれている文章のキーワードを空欄にしておきます。その空欄に入る単語が何かを予測してもらうという方法です。空欄に入れる言葉をヒントなしに考えてもらう方法もありますが、候補になる言葉をリストアップして選んでもらうこともできます。また、例えば5カ所の空欄がある時に、その空欄に入る言葉5つをランダムに表示し、どの言葉がどこに入るかを考える、などの方法もあります。

●マッチング:
 正しい組み合わせを考えるという方法です。例えば、専門用語とその説明をバラバラに提示し、どれがどの用語の説明なのか、その組み合わせを考えます。

●並べ替え:
 何かのプロセス、手順、などについて、各ステップをバラバラに表示し、それを正しい順序に並べてもらうという方法です。カードに印刷しておいて、カルタのように並べてもらったりしても、体を動かすことになるので変化をつけられます。

●不適切なものを探す:
 上記のマッチングや並べ替えをする際に、不適切・不必要なものを混ぜておいて、それがどれなのか、なぜ不適切なのかを考えてもらうなどの応用も可能です。

●復習クイズを考えてもらう:
 講師が復習のためのクイズを考えて出題する代わりに、参加者にクイズを考えてお互いに出題してもらう方法です。これは、講師の準備が飛躍的に減るというメリットだけではなく、参加者にとっても、
(1)クイズを考えること自体がとても良い復習になる
(2)他の人・チームが考えたクイズに回答することで良い復習になる
というメリットがあります。復習する内容を、ページ番号などでチームに分担してもらい、他のチームが考えた質問に対して答えて、効率よく運営しましょう。

 以上、あまり準備に時間をかけずにできる方法をいくつかご紹介しました。クイズを出すタイミング、そして回答方式のバリエーションを活用して、ワンパターンにならないように工夫してみましょう。クイズの解説はやはり「講義」ではあるのですが、一方的にずっと説明が続いているのとは、印象や参加者の参画度合いは大きく変化するはずです。

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講師・インストラクターハンドブック
中村 文子、ボブ・パイク 著 / 日本能率協会マネジメントセンター

中村 文子(なかむら・あやこ) ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
中村 文子

 大阪府出身、神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科 卒業。マイクロソフト株式会社名古屋営業所 勤務を経て、P&Gジャパン、ヒルトン東京ベイにて人材育成・組織開発に従事。2005年より現職。2006年にASTDのカンファレンスで人材育成の世界的権威、ボブ・パイク氏のセッションに初参加、大きな衝撃を受ける。トレーナー認定のプロセスを経て、2007年秋、日本人初のトレーナーとして認定される。専門分野は、トレーナー養成、ホスピタリティ、管理職研修、ビジネスコミュニケーションスキル研修など。ホテル業界、製薬会社、電機メーカーなどの業界で、活動中。早稲田大学エクステンションセンター、日経ビジネススクール、日本能率協会にて、講師実績あり。
●ダイナミックヒューマンキャピタル
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https://www.facebook.com/DynamicHumanCapital/
●中村文子ブログ
http://www.d-hc.com/blog

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。