中村文子
ダイナミックヒューマンキャピタル代表取締役

 新年度を迎え、新入社員や新しく入社・配属された人に仕事を教える機会がある方も多いことでしょう。そこで今回は新しい業務を教える際にどのような点に注意や工夫をすればよいかを考察していきます。

 先日、あるクライアントでの研修中に、ご参加の方からこんな悩みをお聞きしました。

 「新入社員を迎え、電話の対応を教える機会がある。基本的な能力が決して低いわけではないのに、どうしても電話の対応スキルがうまく習得できずにいる人がいて、どう指導していいのか悩んでいる。具体的にいうと、聞いた内容のメモを取ることができないため、取り次いだり伝言を預かったりすることができない」
 ということでした。

何を教えるかを分解する

 電話対応といえば、新入社員研修の定番メニューですので、講師経験のある方であれば、何をどう教えるかがすぐイメージできる方も多いでしょう。当連載第18回「新入社員研修を知識・スキル・態度(KSA)フレームワークで考察する」
http://www.nikkeibp.co.jp/atclhco/15/414615/020400011/
でご紹介したフレームワークで考えると、次のような内容が考えられるでしょう。

K (Knowledge 知識)
・電話の基本マナー
・正しい敬語の知識
・電話機の基本操作方法
・よくある問い合わせとその基本的な回答例
・取り次ぐ必要がある場合、担当者と担当業務
 (誰に取り次ぐかの判断に必要な情報)

S (Skill スキル)
・敬語を正しく使って応対する
・電話機を操作する
・メモを取る
・必要に応じて、取り次ぎ・転送する
・必要に応じて、正しい情報で回答する

A (Attitude 態度・姿勢)
・自分宛てではない電話に対応することの意義や意味を理解し、
 積極的に電話に出ようと思う
・丁寧かつ正確な対応を心がける
・声だけでも好印象になるように心がける

 少し余談になりますが、今の新入社員の方々は携帯電話が当たり前に存在する社会で育っていますので、自分の携帯以外の電話(自宅で家族にかかってくる電話など)に出たことがない方も珍しくないようです。そのため、電話応対の意義や意味などをきちんと理解してもらうことも大切な要素になっています。