では、講師の力量や人物に依存せず、研修の効果を高めるにはどのようにデザインしていけばよいのでしょうか。ここでは、①オープニングとクロージング、②研修の構成要素と時間配分、③構成の順序、の3つをご紹介します。

オープニングとクロージングに大切なメッセージを入れる

 人は、最初に触れた情報と最後に触れた情報を記憶します。研修の最初と最後はとても印象に残る大切なスポットなのです。ですので、オープニングとクロージングには、その研修で伝えたい大切なメッセージや、持ち帰ってもらいたい大事な内容を入れてデザインします。

 よく見かけるオープニングのパターンは、冒頭に講師の紹介や事務連絡、そして参加者の自己紹介などです。必要な情報だとは思いますが、これを一番最初にすると、最も記憶に残る大切なスポットを講師の略歴などが奪っていることになり、とてももったいないのです。冒頭はその日の研修の大切なメッセージにしましょう。そして、一段落したところで講師紹介などを必要に応じて行います。

 クロージングも同様です。よく見かけるのは、アンケートや今後の提出課題の説明などを最後にするパターンです。それは少し前に済ませ、一番最後にはその日の研修から大切なメッセージや必ず持ち帰ってもらいたい内容に触れて終了するようにしましょう。

研修の構成要素と時間配分

 人は受け身な状態が10分以上続くと退屈しはじめ、気が散りはじめます。研修の中で受け身な状態というのは、講師の説明を聞くなど情報を受け取るだけの状態です。つまり、一方的な講義を10分続けると、気が散る人が多くなるのです。ですので、講義の途中、8分をめどに受け身ではなく能動的になるようにデザインします。

 例えば、クイズを出題して答えを考えてもらう、今説明したページで特に大事だと思った点に印をつけて隣の人と共有してもらう、空欄に入る単語を予測してもらう、などといった短時間でできることでかまいません。情報を受け取るという受け身な状態から解放し、考える、書き出す、話すなどといった能動的な時間を設けるのです。これにより、興味や集中力を持続させるのが目的です。

 また脳の記憶や理解のメカニズムを考慮し、20分という単位で区切りをつけ、その20分の内容から大事な点を振り返ったりリフレクションしたりする時間を設けます。さらに、研修の時間が90分を超える場合には、90分に1度は休憩時間を取り、リフレッシュします。