研修を行う目的として、「知識のインプット」というのは根強いようですが、今回はその「知識のインプット」について考察します。

 皆さまが企画・実施している研修で、「~について知る」「~について理解する」このような表現が目的に入っている場合は、要注意です。

 もちろん、研修で知識を得ること自体を否定するわけではありません。しかし、もっと効率的・効果的な方法で同じ知識を得ることはできないか、知識を得ることがゴールになっていないかの検証が必要ではないでしょうか。

本当に研修が必要か?

 「先生」が持っている知識を伝授する。

 研修についてのとても古典的な発想です。その昔、知識を得る手段がごく限られていて、限られた人しかその知識にアクセスできない時代には、貴重な機会になったでしょう。ですが、今、知識を得ようとすれば、誰でもいつでも簡単にアクセスできる情報があふれています。

 例えば、書籍やインターネット上の情報など、誰でもアクセスできるところに情報はたくさんあります。読めば理解でき、それで事足りることを、研修で講義する必要があるでしょうか。

 解説が必要なのであれば、動画ではどうでしょうか。いつでもどこからでもアクセスできれば、その方が時間も距離も障害になりません。また、プレゼンテーションスキルの高い人が動画で解説すれば、あまりうまくない講義よりむしろ効果的かもしれません。主に大学で広がっている、事前に動画で学習してくる「反転学習」というのも、企業の研修でも十分取り入れられると思います。

 また、新しくありませんが、Eラーニングも健在です。トレンドとして注目されているスマートフォンやタブレットなどのデバイスを活用したモバイルラーニングも、デジタルネイティブの世代には受け入れられやすいでしょう。また、最近注目されている料理レシピの1分間動画のように、1つのコンテンツを2分程度で学べる内容に短く区切って学ぶマイクロラーニングも可能性を感じます。必要な知識を短時間で手に入れられる手軽さが良く、まだまだ発展するでしょう。

 このように、知識を得るという目的であれば、集合研修で講義を聴く以外に、より効率的で効果的な方法はあるのです。それをあえて集合研修を行うのであれば、単に知識を得るという目的にとどまらず、集合研修だからこそ得られること、知識を得た先に何を達成したいかまで見据えて、研修を企画していきましょう。