視点②:目指す組織の姿を共有する

 根本的な原因を掘り下げていくと、組織の風土や社員の意識の中に根差す固定観念に行き着きます。つまり、男性優先の職務付与や長時間労働は、これまでそれが当然と考えられてきたから、組織の中で固定化しているのです。昔は、女性を慮ったり、持てる時間をすべて仕事に投入したりすることは、当たり前のことだったわけです。

 女性活躍の阻害要因の分析から固定観点の存在が浮かび上がりましたが、そもそもそれらの固定観念は、過去に組織内で共有されていた価値観に起因しています。したがって、固定観念が解消されるためには、企業を取り巻く環境が変わったために、価値観自体を変えていかなければならないと認識されることが必要です。

 課題とは「ありたい姿と現状」のギャップです。したがって、ありたい姿自体が明確でなければ、何が課題であるかを定義することはできないのです。そのため、組織の価値観が見直されるべきであるかどうかを判断するための基準は、今後の組織の「ありたい姿」にあります。

 少子高齢化・人口減少、経済のグローバル化、市場ニーズの多様化といった環境変化の中で、自分たちはどのような価値観を持つ会社を目指すのかが議論される必要があります。

「私たちは、1人ひとりが持つ能力を最大限に活かせる会社になりたい。だから、今はキャリア意識が乏しい女性社員であっても、少しずつ困難な仕事に挑戦させることで成長を続けてもらいたいと思う」
「私たちは、さまざまなワーク・ライフスタイルを持った社員が活躍できる会社を目指したい。だから、より短い時間で成果を高めることに向けた取り組みを続けていきたい」

 このような意味づけが社内で共有されることによって、固定観念は変化していきます。女性活躍を阻害するから意識を変えろとだけ言われても、簡単には変わらないのです。