松丘啓司
エム・アイ・アソシエイツ(株) 社長

 前回は女性活躍推進法における課題分析の留意点について述べましたが、今回は取り組み内容(施策)検討のポイントについて解説したいと思います。

 何年も前から女性活躍推進に取り組んできた企業では、法律が施行されるからといって、新たに何かを考える必要はないかもしれませんが、これから検討を開始するという企業では、何を行うべきかと頭を悩ませているダイバーシティ推進担当の方も少なくないと思われます。女性活躍推進に関連する取り組み施策は多岐にわたり、これをやればよいという唯一の解が存在するわけではないため、どういう基準で施策を決めればよいかが難しいからです。

ポイント①:結果志向で考える

 もっともよくない方法は、洗い出された課題に対して、他社事例等で効果があったとされる施策を羅列することです。それぞれの施策にそれなりの効果はあるかもしれませんが、それらの効果を積み上げても計画期間内に目標を達成できる保証はありません。また、多くの施策を同時に推進しようとすると、リソースが分散してしまって、1つひとつの施策の効果も得られない恐れがあります。

 行動計画策定において重要なことは、立派な計画を立てることではなく、実効性のある計画を立てることにあります。そのため、目標達成という結果に焦点を当て、その結果に「直接的」に効果のある施策を検討することが重要です。

 例えば計画期間を3年として、その間に女性管理職比率を向上させることを目標にするとしましょう。3年というのは短期なので、これから新人の女性採用比率を増やしても、3年以内の女性管理職増加には影響がありません。だから女性採用比率を高めることに意味がないというのではなく、短期的に効果を生む施策と中長期的に効果を生む施策を整理して考えることが必要ということです。

 短期的に女性管理職を増やすのであれば、現在の社員の中から候補者の人材プールを作らなければなりません。女性管理職を増やす際に、「下駄」をはかせるかという議論がしばしば起こりますが、能力や経験が足りないのに強引に管理職にならせるのは本人にとっても周囲にとっても望ましいことではないので、あまり得策とはいえません。したがって、短期間での能力開発や実績作りが可能なだけのポテンシャルを持った人材を候補者とすることが必要です。

女性管理職候補の昇格意欲を高める

 その際、現実的に問題となるのは、それなりのポテンシャルを持った女性社員の多くが管理職昇格に対してあまり意欲的でないということです。したがって、短期間で女性管理職を増やすためには、能力開発や実績作りと同時に、女性管理職候補者の昇格意欲(キャリア意識)を高める施策が必要です。