池照 佳代
アイズプラス 代表取締役

いつまでも会社があると思うなよ!
いつまでも会社があると思うなよ!
川島 高之 著 / PHP研究所 / 1,512円(税込) / 237ページ

 「イクメン」という言葉を世に広め、ここ最近は自ら「イクボス」という言葉を軸に活動を続けるのが本書の著者である川島氏である。「イクメン」とは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のことまたは、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のこと(厚生労働省イクメンプロジェクト)。著者は大手企業の管理職として勤務しながら、NPO法人活動や子息の学校のPTA活動にも従事し、家庭人として家事責任もこなす。そして、現在は上場企業の社長を務めている。

 従来、いわゆる「働くお父さん」の足があまり向かなかった非営利団体活動、学校のPTA活動そして家事に関わり、かつ仕事では成果を出している実例である。これまでの考えでいえば、これだけの役割を担いながら仕事で成果を出すことは、不可能と感じている人が多かったのではないだろうか。だからこそ、著者が自身の考えや姿勢、そして方法論を述べているこの書籍にはこれからこのような生き方をしていきたい、もしくは考えはあっても実践方法が得られなかった方々にとっての人生を豊かにする指南書となる。

 中心にあるのは、著者が生活や人生の基本として大切にしている個人の哲学である「三本柱の人生」のあり方とやり方である。ワーク(仕事)・ライフ(家庭)・ソーシャル(社会)という3つ軸を確立し、時間と労力についての配分や具体的な考えと姿勢について述べている。

 特に参考にして欲しいのは、この「三本柱の生き方」を実践しながら仕事能力が飛躍的に高める考え方やノウハウである。著者曰く、価値観や共通用語が異なり、阿吽の呼吸も利きづらい場であるPTAや少年野球のコーチ等の社外のコミュニティ活動のへの従事は、仕事に直結する能力を磨く最高の場になる。

 「これからの時代は、MBAよりPTA」、本書の帯裏に書かれたメッセージである。仕事の場だけでなく、コミュニティや生活の場をも自らがコントロールし、自身の生き方を反映させるものにしていく。力強い著者のメッセージは、読んだ後に「明日からひとつは取り入れられる」と前向きな自信と勇気を与えてくれる良書である。

参考書籍

『できるリーダーはなぜメールが短いのか』
安藤哲也 著 / 青春出版社 / 886円 / 192ページ

池照 佳代(いけてる・かよ) 有限会社アイズプラス 代表取締役
池照 佳代

 約14年間、マスターフーズリミテッド、フォードジャパン、アディダスジャパン、ファイザー、他にて一貫して人事を担当のちアイズプラスを設立。人材・組織開発コンサルタントとして、主に企業向けに採用から教育、評価などの人事制度設計支援・コンサルティング、タレントマネジメントやダイバーシティ、女性活躍推進施策の企画・提供、エグゼクティブコーチング、EQ(感情知性)開発支援を提供している。このほか、NPO法人キーパーソン21の理事を務め、全国の学校現場に児童、社会人(企業)、学校、地域の協働プロジェクトとしてキャリア教育プログラム提供の支援を行うなど、社会貢献活動を続ける。CDA(キャリアデベロプメントアドバイザー)、EQGA公認トレーナー/プロファイラー。
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