株式会社ジェック マネジャー
嘉顧(ジャグ)企業管理諮詢(上海)有限公司 副総経理
薛 晴(せつ せい)

 中国で管理職向けの研修を企画するとき、クライアントの担当者が中国人の場合は、「研修のタイトルはマネジメントではなく、リーダーシップなどの言葉を使ってください」とよく言われます。ほかの研修会社のパンフレットを見ても、確かに研修タイトルに「マネジメント」ではなく「リーダーシップ」を使う場合が多いようです。

 日本語の片仮名で「マネジメント」、または「リーダーシップ」と表現しても、意味合いは違いますが、その言葉に対してプラスとかマイナスのイメージは持たないでしょう。しかし、中国の漢字になると、その二つの言葉に微妙な感情が入ります。

 「マネジメント」を中国語で表示すると「管理」になります。「リーダーシップ」は「領導」になります。一般的に「管理」は、「人々を監視し、働かせる」というネガティブな感覚を持っています。人は管理されるのは嫌ですので、人に嫌われないように管理もしたくないのです。

 一方「領導」は「統率する、指揮する」という動詞にもなるし、名詞「領導者、リーダー」の意味もあります。一般的に「領導」に対してはポジティブな感覚があります。カリスマ性のある「領導者」は自分自身の魅力で人々に影響を与え、人々はそれに従って動くので、追随する人が喜んで働けるし、「領導者」も尊敬されます。

 中国人社員は自分の上司が「領導者」であることを期待します。嫌われる「管理者」よりは魅力のある「領導者」になりたいと思っています。

中国人の部下には「領導」としての人柄を見せる

 ある中国のコンサルティング会社では20年間中国国内の異なる業界、規模の会社に「リーダーシップ」研修を提供してきました。

 その際、異なる階層の部下に対して「どんな上司の元で働きたいですか」という調査を行ったところ、「一緒に働きたい上司」には35の素質/能力があり、その中で最も重視されたのが次の四つです。

  1. ①責任を取る。何かがあったら責任を取ることを恐れない。
  2. ②部下への思いやり。部下に興味関心をもち、部下を育ていく。
  3. ③率先垂範。組織の規則を守り、自分を律する。
  4. ④公平公正。人への評価は自分の好みに影響されない、誰に対しても賞罰分明。