株式会社ジェック マネジャー
嘉顧(ジャグ)企業管理諮詢(上海)有限公司 副総経理
薛 晴(せつ せい)

 日本において人材育成のキーワードと言えば、「グローバル」、「ダイバーシティ」が挙げられます。

 「グローバル」という言葉は、リーマンショックのように世界のどこかで発生した経済的な問題が瞬く間に日本にも影響するという認識から、再び注目されるようになりました。

 その後、東日本大震災の影響と、史上空前の円高対策として、多くの日本企業は積極的に海外へ出ることを選択しました。当然、グローバルに活躍する人材の育成は喫緊の課題になりました。

 先月、弊社ジェックでは「グローバル人材&企業理念」セミナーを大阪で開催し、私も2年ぶりに日本で「グローバル人材」についてのセミナーを担当しました。

 講演後、ご参加の皆様とのフリートークの時間を設けました。皆様の発言をお聞きし、グローバル人材の育成は相変わらず企業教育の重要課題ですが、その焦点は、本社の企業理念をグローバルの領域へ浸透できる人材の育成になったと感じました。

 そういえば、2013年より上海に駐在していますが、現地では「グローバル人材」についてあまり耳にすることがありません。そこで、中国においての「グローバル人材育成」はどうなっているのか、少し調べてみました。

 中国では、「グローバル人材」を漢字で「国際化人材」と書きます。経済のグローバル化により競争もグローバルになり、その競争力を高めるために高品質の国際化人材の育成が重大課題だと、かなり前から主張している学者たちがいます。

 では、どんな人材が「国際化人材」と言えるのでしょう?その学者の一部は、「国際化人材」とは、国際的に有名な大学卒で、国際的に有名な大企業での職歴を持った高度なマネジメント人材のこと、あるいは外国との合弁企業で働き、国際慣習に詳しい、外国語をマスターした人材のことだと提案しています。

 また一部の学者は、「国際化人材」はいくつかの素質を揃えるべきだと唱えています。例えば、高いコミュニケーション力やビジネスセンスを持ち、創意工夫ができる。ビジネスやマネジメントの原則に精通し、どんな環境に置かれても、与えられる任務をやり遂げる。また、周囲の意見やフィードバックが受け入れられる等などです。

 また、ほかの学者は「国際化人材」の特徴を6つにまとめています。それは、①グローバル的な視野と思考回路を備え、②新知識や新技術を絶えず学習し、③高い創造性と競争力を持ち、④国際ルールを熟知し運営力を持ち、⑤高い異文化コミュニケーション力があり、多様な文化をよく知り、⑥海外留学、仕事、生活の経験があるといったものです。

 学者たちの表現はそれぞれ違いますが、要するに「国際化人材」に必須な素質とは、グローバル的な視野、多様な文化についての教養、語学力も含めた高いコミュニケーション力ということでしょう。

 恐らく、日本の「グローバル人材」への認識とはさほどの違いがないでしょう。個人的な感想を言うと、「自国の文化に誇りを持ち、その良さを異文化の相手に伝えられること」も国際化人材の必須条件に入れたいと思います。