ストレスに起因する病気はメンタル疾患以外に、高血圧や糖尿病が有名ですが、発症後の適切な対応について、もう一度確認をしましょう。

 長時間労働等によるストレスは血圧や血糖値に顕著な悪影響を及ぼします。そもそも、健康診断は労働安全衛生法に定められており、会社として、従業員の健康状態を把握し、過労死や病気を回避するために必ず実施しなくてはなりません。また、1カ月の時間外労働が45時間を超えると、心身に健康障害を及ぼすリスクが顕著になることが知られており、もともと高血圧や糖尿病などストレスで悪化しやすい持病のある従業員(健康リスクの高い従業員)に対しては、時間外労働がこの水準を超えないよう配慮していく必要があります。

 血圧や血糖値は悪化しても、残念ながら自覚症状を呈することはほとんどありません。本人自ら、悪化に気づくことはほぼありませんので、健診や面接指導などを通じて、リスクのある人、悪化傾向にある人をしっかり把握し、その原因が業務にあるのかどうか、会社(上司や人事)は評価し確認しなければなりません。

高血圧について

 高血圧については、「収縮期血圧180mmHg以上、かつ/または、拡張期血圧110mmHg以上」はIII度高血圧と分類され、高リスクのため、直ちに降圧薬を用いた治療の対象になります。

 これは同時に、職場においても、高リスクと判断し、直ちに対処が必要となります。病院受診を指示するだけでなく、速やかに就業制限すべき対象となり、多くの産業医は180/110mmHgを1つの目安にしています。血圧計は比較的安価ですので、毎月長時間労働が1人でも発生する職場では、血圧計を購入しいつでも計測できるよう整備しておくことが肝要です。

 実際に職場で測定したり、測定結果を提出させるなどして評価を行い、受診指導や適切な就業制限を行います。それでも治療をせず、数値の改善が見られないようであれば、産業医の意見を受けて、業務命令として、治療するまで就業禁止も視野に入ります。

 本人の意思に反することもあるかもしれませんが、安全配慮義務の遂行のため、健康を守る、命を守ることの方が優先されます。過労死が起きてからでは取り返しがつきません。実際に、40代の未治療高血圧が原因と考えられる脳出血が多く発生しています。