最近、教育熱心なお父さんが増えています。学校関係者によれば、平日に行われる進学相談などにもお父さんが同席することが増えたそうです。仕事を休んで参加しているケースも多いのでしょう。いいことだと思います。

 かつての日本社会では、家事や子育ては妻にまかせ、夫は仕事にまい進するという家庭が多く見られました。高齢の政治家など、今でも「それが理想の家庭像だ」と時代錯誤も甚だしい発言をすることがあるくらいです。

 しかし、時代はとっくに変わっています。男女共同参画が進むなかで、女性が職場に進出するように、男性が家庭に進出していくのは当然のことです。

 そもそも、100歳まで生きなければならない時代に、妻にも働いてもらわなければ家庭の財政が成り立ちません。また、労働人口減少に悩む社会から見ても、既婚女性に働き手としての期待がかかっていきます。実際に、結婚や出産を機に退職した女性を呼び戻すなど、主婦層に絞って従業員募集をかける企業が次々と現れています。

 となると、家庭ではどういうことが起きるでしょう。

 子供は学校や塾以外では、自分一人あるいは兄弟姉妹とともに過ごす時間が増えます。親が見ていなくても宿題や予習・復習に精を出してくれればいいのですが、なかなかそうはいきません。

 私は子供の教育に関する仕事にも携わっていますが、そこでは共働きの両親を中心に「うちの子供が勉強しなくて困る」という相談をよく受けます。彼らは、子供たちが持って帰るテストの結果などを見て「勉強しないから、こんなに成績が悪いのだ」と嘆いているわけです。

 しかし、子供たちに話を聞いてみると様相は変わってきます。

 子供たちは、自分の成績が振るわないことをよしとしているわけではありません。できればいい成績を収めたいけれど、そのためにどうしていいか分からないのです。

 親は「だから、勉強すればいいんだ」と言うかもしれません。でも、子供たちは勉強の仕方が分からないし、どうすれば勉強に集中できるかが分からないのです。

 この構図、「なんで部下はいい業績を残せないんだ。もっと頑張ればいいのに」と上司が文句を言っているのとそっくりです。