しかし、「重要だが緊急ではない仕事」については、多忙な日々のなかでこなすことができている人と、そうではない人に分かれています。そして、それによって業績に大きく差がつく結果となっているのです。

 ただ、業績に差がつくまでにタイムラグがあり、しばらくの間は「自分もほかのマネジャーと同じように頑張っている」という認識下にいられます。そのために、余計に打つ手が遅れてしまう訳です。

 もう1つ、注意したいのが、私たちはつい「さほど重要ではない仕事」を優先させてしまう傾向にあるという点です。重要な仕事は、もともと困難で取りかかるのに勇気がいるものが多いため、つい後回しにしてしまいます。

 一方で、さほど重要でない仕事は、取りかかりやすく、とりあえずそれをやることで「自分は頑張って働いている」と思い込みたがるのです。

 そのうえ、「さほど重要ではないけれど緊急の仕事」があれば、「とにかく急がなければならないのだから」と飛びついてしまいます。その間は、面倒くさい重要な仕事については忘れることができるからです。無意識のうちにも、そういう方向に動いてしまうのが人間だということを知っておいたほうがいいでしょう。

 先のB店長は、台風の影響で店舗の冷蔵庫の電源が落ちてしまった時なども、最優先で対応していました。しかし、こうしたタスクは部下に任せても結果は変わらないでしょう。

 「重要だが緊急ではない仕事」から目をそらさないマネジャーが、やがて大きな結果を手にしていくこととなるのです。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンに挑戦、いずれも完走を果たす。著書に、『8割の「できない人」が「できる人」に変わる! 行動科学マネジメント入門』(ダイヤモンド社)、『挫けない力』(清流出版)『教える技術』(かんき出版)、『会社を辞めるのは「あと1年」待ちなさい!』(マガジンハウス)、『組織行動セーフティマネジメント』(ダイヤモンド社)、『組織が大きく変わる「最高の報酬」』(日本能率協会マネジメントセンター)、『3日で営業組織が劇的に変わる行動科学マネジメント』(インフォレスト)、『短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント』(ダイヤモンド社)などがある。

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