私は、行動科学マネジメント理論を用いて、企業の仕事を「行動の教科書」に落とし込むお手伝いをしています。

 行動の教科書には、仕事で結果を出すために「具体的にどんな行動をとればいいか」が書かれています。というのも、ハイパフォーマー以外は、その行動がとれていないために結果が出せずにいるからです。

 すると、それを見た経営者や管理職はたいてい同様の反応を示します。

 「こんな細かいことを書く必要なんてあるんですか? こんなこと誰でも分かっているはずです。それより、理念を語ることが必要なのではありませんか?」

 彼らは、ディズニーランドやザ・リッツ・カールトンなどを例に挙げ、「もっとかっこいいものを」と要求します。それによって従業員が触発され、自発的に動いてくれることを期待しているようです。

 しかし、ディズニーランドやザ・リッツ・カールトンも、従業員に細かい指示を出しています。それら、細かい取り決めをきちんと守れている人たちが、応用能力を発揮しているにすぎません。

 まず基本の型ができていない段階で、そうした企業のまねをしても意味はありません。いったい誰を育てたいのかについて、もう一度考えてみてください。

 ハイパフォーマーがどんな動機付け条件で動いているのか、結果が出せない人たちはいったいどこでつまずいているのか、もっとよく見る必要があるということです。

石田 淳(いしだ・じゅん) 株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者
石田 淳

 米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものに独自の手法でアレンジ。「行動科学マネジメント」として確立。その実績が認められ、日本で初めて組織行動の安全保持を目的として設立された社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事に就任。グローバル時代に必須のリスクマネジメントやコンプライアンスにも有効な手法と注目され、講演・セミナーなどを精力的に行う。趣味はトライアスロン&マラソン。2012年4月には、世界一過酷なマラソンといわれるサハラ砂漠250kmマラソン、2013年11月に南極100kmマラソン&トライアスロンに挑戦、いずれも完走を果たす。著書に、『8割の「できない人」が「できる人」に変わる! 行動科学マネジメント入門』(ダイヤモンド社)、『挫けない力』(清流出版)『教える技術』(かんき出版)、『会社を辞めるのは「あと1年」待ちなさい!』(マガジンハウス)、『組織行動セーフティマネジメント』(ダイヤモンド社)、『組織が大きく変わる「最高の報酬」』(日本能率協会マネジメントセンター)、『3日で営業組織が劇的に変わる行動科学マネジメント』(インフォレスト)、『短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント』(ダイヤモンド社)などがある。

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※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。