石田 淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 今、「サンキューカード」の仕組みを取り入れている企業が増えています。

 日本航空、ヤマト運輸、P&G、ディズニーリゾート……などなど有名な大企業や組織が積極的に取り組み、その成果を公開しています。

 サンキューカードは、その名の通り「感謝の言葉が書かれたカード」です。上司部下を含めた社員同士で感謝の気持ちを交換したり、あるいは顧客から小さな褒め言葉をもらうことで、従業員の仕事に対するモチベーションを高く保つ狙いがあります。

 私も講演会の最後には、聴講者に何かコメントを書いてもらうようにしています。大勢の前で話をする講演会の前には、緊張感でいつも逃げ帰りたくなりますが、「今日は来て本当に良かったです」といった一言をもらえると、また演壇に立つことができるのです。

 あなたが部下をマネジメントする立場にいるなら、サンキューカードを上手に活用してください。なぜなら、これからの時代にはそれが大きな武器となりうるからです。

 先日私は、ある大手部品メーカーで新入社員対象の研修を行いました。その日のテーマは「セルフマネジメント」でした。

 若年層労働人口が激減に向かう時代ですから、つまらないことで優秀な若者たちに潰れて欲しくありません。そこで私は、「いかに自分にご褒美をあげることが重要か」について話をしました。すると休憩時間に数名の新入社員が私のところに来て質問をしたのです。 「ご褒美をあげようにも、とくに欲しいものがないときにはどうしたらいいでしょう」

 なるほど、現代の若者たちは私たちの世代とは違うのだということを私は痛感しました。私が若い頃には(たぶん今のマネジャー職の人も同様でしょう)、ほかの人よりもお金を儲けたい、ほかの人よりもいい車に乗りたい、ほかの人よりもいい服を着たい、ほかの人よりもてたいし……と、次から次に「欲しいもの」が出てきたものです。

 しかし、彼らは生活ができるだけのお金があれば、それで十分だと考えています。とはいえ、下流に甘んじているとか、人生を投げているというわけではありません。その部品会社は一部上場企業で、有名大学を卒業した彼らはいわばエリートです。そういう人たちでも「欲しいものはない」と考えているのです。

 こうした世代を自発的に動かすために、マネジャーはどうすればいいのでしょう。