石田 淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 ある企業の研修会で、40代前半のマネジャー職から相談を受けました。

「毎月1回、部下たちと仕事に役立ちそうな本を持ち寄る読書会を行っています。ただ、それがどのように部下たちのプラスになっているかわからないのです。もしかしたら、時間のムダづかいをさせているだけなんじゃないかと不安になって…」

 このマネジャーや部下たちに限らず、多くのビジネスパーソンが熱心に本を読んでいます。しかし、それを血肉にしている人となると一気に数が減るようです。小説など自分の楽しみのための読書ならともかく、ビジネスに役立てようとしているなら、「読んでおしまい」では意味がありません。そこに書いてあったことを実際の行動に移し、いい習慣を身につけていく必要があります。

 そのときに重要なのは、なにもかもをやろうとしないこと。1つずつ確実に定着させていくことです。

 たとえば、英語の勉強法について書かれた本に「1日に英単語を3つ覚える」「声に出してテキストを1日5分読む」「字幕を見ないでアメリカ映画を1日10分ずつ見る」などの方法が紹介されていたとしましょう。どれもさほど大変そうではありませんが、欲張ってすべてをやろうとすれば無理が出て挫折します。

 まず自分が最もやりやすいもの、ハードルが低いものを選んで繰り返し行動します。そして、毎日寝る前に振り返りを行い、本当にできていたかどうかをチェックします。曖昧さを排除して、「できた」か「できなかった」か、結果を見える化することが重要です。

 もし3週間継続できたらそれは定着する可能性が高いので、もう1つ追加していくといいでしょう。