「2030年には、労働人口の49%がAIやロボットに置き換えられる」

 野村総研が2015年にまとめたレポートの結論は、多くのビジネスパーソンを驚愕させました。自分がまだ定年を迎える前に、今ある仕事の約半分が消える可能性があるというのですから、大きな動揺が走ったのも当然です。そのレポートでは、どんな仕事が失われていくかについても具体的に予測・言及されていました。

■野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

 あれから3年たち、当時はなかなか自分事と捉えることができていなかった人たちも、もはや現実の問題として向き合わざるを得なくなっているようです。

 人工知能の権威であるレイ・カーツワイルは、人工知能が人間の能力を超える特異点(シンギュラリティ)が2045年に訪れると予測しています。

 ほかにも、様々な専門家が持論を述べ、雑誌では「AI時代にいかに生き残るか」について盛んに特集記事を組んでいます。

 先日、こうしたニュースを伝えるNHKのアナウンサーが、「私たちの仕事もなくなってしまうのでしょうか」と不安そうにコメントしていました。実際に、収録済みの画像にのせるナレーションなどは、コンピューターの音声で十分に可能になってきているようです。となれば、必要とされるアナウンサーの数は、いずれ劇的に減っていくかもしれません。

 ところが、過去の多くのレポートでは、アナウンサーは「AI時代になってもなくならない仕事」の一つに分類されていました。つまり、今はまさに激動のただ中であり、どんな専門家の分析も予言の域を出ず、「本当はどうなるか」など誰も分かりはしないのでしょう。

 ただ、間違いなくいえるのは、「単純に今の業績が周囲よりよければ生き残れるというものではない」ということでしょう。

 これまでだったら、大規模な人員削減などがあっても、優秀な業績を残していればクビを切られることはありませんでした。例えば、同僚が平均3個の製品を作る間に、倍の6個作る能力があれば、会社から慰留される人材でいられたでしょう。

 しかし、AIやロボットは、同じ時間で50個、100個と次元の違う能力を発揮します。だから、もはや同僚との競争に勝っただけでは通用しません。