石田 淳
株式会社ウィルPMインターナショナル 代表取締役社長兼最高経営責任者

 いよいよAI(人工知能)の時代がやってきます。これまでも、人間に代わって危険な作業などを行うロボットが活躍していました。しかし、それらが関与するのはあくまで動作のみで、「考えている」ように見える部分も、前もって蓄積された情報の中から適切なものを選び出しているにすぎませんでした。

 ところが、これから登場してくるAIは、自分で学習を重ねどんどん賢くなることができるものです。人間が担当していた「最後の砦」ともいうべき作業を、私たちはAIに受け渡そうとしているのです。

 もちろん、どうしても人間にしかできないこともあるでしょう。また、AIが登場したからこそ、人間がやらねばならない新しい仕事も生まれるのではないかと思います。

 いずれにしても、これからの企業の命運は、このAIをどう使いこなしていけるかにかかっています。AIにすっかり仕事を奪われて消滅する企業もあれば、最大のチャンスとして大化けする企業も出てくるでしょう。

 損害保険業界は、売り上げの半分を自動車保険が占めているといわれています。しかし、自動運転が一般的になれば、その構図は激変するでしょう。

 テスラはすでに、昨年末から完全自動運転対応ハードウエアを搭載したモデルを国内で納車しはじめています。まだ価格は高いですが、他社の追随によって、あっという間に自動運転の車を持つことは「当たり前」になるでしょう。

 だから、損保業界はどこも、自動車保険に代わる主軸商品の開発に躍起になっています。にもかかわらず、まだ「これ」というものは見い出せていないようです。

 しかしながら、実際にAIがビジネスの現場でどんどん稼働していけば、損保業界の活躍の仕方も明らかになっていくでしょう。これまでの私たちには想像もつかなかったような危機管理が、企業には必要になってくるはずですから。