ネットだけでは天井が見えた

細川:アパレルだけでは限界があると感じている根っこは何ですか。

宇賀神:いろいろなデータや他社を見て、ネットだけでは天井が見えました。どんなに頑張っても、どんなに優秀だと言われても年商40億円だと思ったのが1つ。そうすると社員数も限られますし、ポジションも限られます。

 ネットはたかだか5%しかない市場なので、95%のリアルをとりにいくかと思ったのですが、今年1年間でレディース・メンズ合わせておよそ1,000店のリアル店舗が閉鎖するんですね。ユニクロさんでも数カ月連続で前年割れという状態にあるなど、本当に厳しい状況にあります。アパレルは水物とよく言うのですが、こんな中で社員に「1世紀持つ会社をつくろうぜ!」とはなかなか言えないなと。水物は水物で僕の好きな市場なので、その市場は会社の中で半分にしたいなと思ったこと。その2つですね。

細川:ネットで成功している海外のアパレル会社はあるんですか。

宇賀神:海外でもうまくいっていなくて、ZOZOTOWNさんも撤収が相次いでいますし、楽天さんも伸びていない状況です。とはいえ、僕たちは来月台湾に出店が決まっています。これは嬉しいことに飲み仲間からパートナーが見つかったんですよね。台湾とのビジネスが多い方で、よかったら小資本で始めてみない?と言われたんです。

 もともとチャレンジしてみたかったこともあり、出店を決めました。チャレンジはしていますが、海外でうまくいっている例はネットだとあまりないですね。本当にユニクロさんくらいです。2位のしまむらさんも海外に出ていないですし、レディースでは上手くいっているところもありますが、全部リアルだけですね。

細川:社長の市場調査、業界調査力はすごいですね。

宇賀神:業界が狭いですから、常に可能性を探ってはいますね。僕らは「行くぞ!」と言って先陣を切って行ける立場ではありません。二番煎じというのが、得意技です。二番煎じで行って他の会社さんとは別のやり方をするというのが、僕らに一番向いていると思っています。

細川:将来のビジョンはどのくらいのタームで見ているのですか。

宇賀神:5年くらいでしょうか。今の時代、5年は本当に長いです。よく10年と言いますが、やっと5年後がやっと見えるかな…というくらいです。早くもっと先が見られるようになりたいと思いますが、5年後も希望でしか見えていない状況です。