細川:「クラウド人材」という言葉は有名なんでしょうか。

遠藤:社内で使用している言葉ですが、多くのITの会社は、今クラウドにシフトしているので、弊社と同じような若手の人材が必要で、「クラウド人材」という言葉を使っていると思います。

細川:欲しいのはネットのビジネスが作れる人なんですよね。

遠藤:そうですね。技術だけではなく、要するにビジネスなんですよね。

細川:「このビジネスを作ったら必ずブレイクする」ということを見極められたり、ベンダーを選別できたり、そういうサッカーでいう司令塔のような人が欲しい訳ですよね。

遠藤:お客さまは経営者で、ある一定の年齢の方なので、そういう方の考えを少しずつ柔らかく変えていくということも、その層には求められているんですが、それはすごく大変なことで、おそらくその思考・行動パターンが変わらないと日本のクラウドビジネスというのは、アメリカほど爆発的には進まないのではないかと思います。どうやって各社がそこを戦略的にアプローチするかというのが課題かもしれません。

クラウドはあくまでもソリューションの一部

細川:私も戦略的かどうかは分かりませんが、人事制度、ナレッジ、コーチングのクラウドなど、いくつかクラウドを作りました。作ってみると全然違いますよね、そんなにコストもかかりませんし。

遠藤:そうなんですよね。そこが今までのシステムの投資の仕方と全く違うので、各社の市場調査をやっているようなところも、切り分けが難しくなっています。クラウドのどこにbusiness opportunityがあるか、それを何を持って出すかというところも変わってきていますよね。

細川:私は古いタイプなので、クラウドだけではダメだと思っているんです。

遠藤:なぜですか?

細川:弊社はビジネスコーチングの会社ですから、クラウドとリアルなサービスのセットでお客さまのビジネスにつなげなければならないと思っているからです。

遠藤:弊社のシステムも同じですね。あくまでもクラウドはソリューションの一部です。フィロソフィーやコンセプトがあって、その中の一部を効率化するのに使っているとか、変えるのに使っているということですよね。道具だけあっても使ってはもらえないでしょうしリピートして使っていただくことが重要だと思います。例えば弊社はタレントマネジメントにもクラウドを使っていますが、このツールは半永遠的に使い続けるマネジメント・ツールです。一方、ワンタイムで終わってしまうものもあるかもしれませんから、両方活用し、短期的にお客さまのニーズをキャッチする部分と、継続的に組織を強くするために使うクラウドソリューションを上手に使い分けないといけないと思いますね。

クラウドがゴールではなくて、ソリューションの一部であるということをどのくらいの方にお伝えできるかが、一番大事なところですね。「クラウドとは何か」を説明するのが難しい相手はもちろんいらっしゃいます。弊社では「POCO(Power of Cloud by Oracle)」という標語を使って、どのくらいクラウドでビジネスの支援ができるかというコンテストを開催したりしています。実際の活用方法や効果を全社で理解するには、このようなイベントも大事ですし、楽しいイベントは皆の気持ちをひとつにします。

弊社は3〜4年前まではデータベースとアプリケーションを中心として事業を行っていましたが、ある瞬間からクラウドに軌道修正をしました。私たちはやはりテクノロジーで1番、クラウドで1番を常に目指しているので、そこにはスピードが必要です。今までのやり方では成功しないという気付きはありますし、変革の先端にいたいという思いもあります。

戦略もスピーディーに変えましたが、戦略の移行と人が変われるスピードは同じではないという点が一番の課題ですね。頭では理解できますが、体が動いていかないということがあります。クラウドそのものがゴールではないので、サービスとともに、クラウドNo.1というビジョンに向かって、どうやって弊社がビジネスの支援をできるかが鍵だと思います。