細川:優れた担当人事の方々はどういう資質を持っているんでしょうか。

遠藤:先ほど申し上げた通り、ファシリテーションスキルですね。それから、クリティカルシンキングの能力、問題特定能力、問題解決能力です。コミュニケーション能力はその大前提にあります。接点が多いのはリーダーの方なので、その方たちの話を理解する必要があります。

細川:女性と男性、どちらが多いのでしょうか。

遠藤:半々ですね。人事の半分以上が女性です。外資系は女性が多いのではないでしょうか。英語が話せる人が女性に多いからかもしれません。

細川:遠藤さんが定義する「人事の仕事」とはなんでしょうか。

遠藤:ビジネスの成長のための人材と組織に関わるあらゆる支援です。オラクルコーポレーションの人事のビジョンには「インターコネクト(Interconnect)」という言葉が使われています。人材をつなぐ、決断をつなぐ、システムや仕組みをつなぐ……その一つひとつをつなぐ、点と点を線でつなぐことが仕事の在り方だという考えです。

基本的には他の会社と同じように、採用、福利厚生、給与・制度設計など様々な役割を担っているメンバーがいますが、インターナルカスタマーである事業部の需要に応じて、実行するのです。実行する時には、様々な要素をつなげる能力がないといけないんですね。例えば採用のプロセスで問題が生じれば、どこか別の機能や担当とつないで問題を解決するというのがひとつの仕事となります。人と組織に対するインターコネクトという考えが、仕事の根底にあります。

「クラウドNo.1カンパニー」を目指して

細川:これから、遠藤さんが挑戦しようとしていることはありますか。

遠藤:日本のビジネスを強くするためにどういう貢献・支援が人事としてできるかを明確にするかということだと思います。「クラウドNo.1カンパニー」というビジョンに向かってグローバルも日本も様々な変革を進めています。Most Admired Company in the Industryとなり、オラクルが市場から認められ、社員が誇りに思えるような会社を目指して、去年から「ミッション85」というプロジェクトを進めています。Great Place to Workなどの社員意識調査で上位にランキングされる会社は、85%の社員が満足しているような会社です。まだ道半ばですが、当社もその満足度を目指して社内プロジェクトが進んでいます。

人事は、単独で存在している機能ではなく、事業計画の中に人事の機能やプログラムが位置づけられるべきですが、今は必ずしもその状態になっていないことが時としてあります。

細川:人事の方は他社の人事の方と仲が良いことが多いですが、社内の人とはそうでもないんでしょうか。

遠藤:私は現場に近い人事であるべきと思っているのでそのように人事メンバーには伝えています。特に部門担当人事は、担当している部門に行っているので、ほとんど見かけないことになります。どちらかというと、担当部門の人との接点の方が多いと思います。

細川:「クラウドNo.1」とおっしゃいましたが、どんなNo.1を指しているのでしょうか。

遠藤:色々なNo.1がありますが、このNo.1が指しているのは、クラウドと聞けばオラクルが想起されるということです。その中に売上などのその他もろもろが入ってきますね。

細川:今のNo.1はアマゾンですよね。

遠藤:そういわれていますが、これからはクラウドでいろんなソリューションを入れたいと思った時に、お客さまにオラクルを思い出していただけるように、ビジネスを推進しています。

細川:価格としてはお安いんでしょうか。

遠藤:クラウドではIaaS、PaaS、SaaSといろんなサービスがありますから、月額いくらという形でお使いいただけます。

細川:我々の会社もクラウドを開発しているのですが、ユーザーはセンターが日本にあることを望んでいると聞きます。日本オラクルの場合はどうでしょうか。

遠藤:データセンターは複数の国にあります。

細川:金融機関は海外にあると特に嫌がると聞きます。

遠藤:そういうこともあって、日本にも計画があります。

細川:オラクルは実績もパワーもありますからね。

遠藤:弊社にはハードウェアからソフトウェアまで、あらゆるレイヤーのシステムがあります。それがクラウド上で同じような機能が果たせますから、オプションが多いのがオラクルの特性ですね。クラウドだけで見ると、出てくる名前はオラクルではないかもしれませんが、あらゆる企業様のニーズに対応できる引き出しがいっぱいあり、既にお持ちのシステムと組み合わせたり、フレキシブルにニーズに合わせてシステムを構築できるIaaS、PaaS、SaaSとすべてのレイヤーをフルスタッフでそろえているのが、オラクルの強みだと思います。クラウドの売上を拡大するために人もかなり動いています。社内的な人のシフトにおいても、社内的なチャレンジをしている状況にあります。

細川:違う事業からの人のシフトについては、どう進めていかれるのでしょうか。

遠藤:リーダーは、あらゆるところで日常的にビジネスの戦略や方向転換のメッセージを出しています。人事としては、採用でクラウド人材を増やしていますし、先ほども申し上げましたが、クラウドのビジネスを拡大する営業のトレーニングは、事業部を中心に実施しています。また、弊社が長期的に成長していくためには、長期的に活躍する人材が必要ですが、そのためにタレントレビューというプロセスがあり長期的に能力を発揮していく人材を見極め、個々に合わせたトレーニングの実施や、社内公募や人事異動を通じたダイナミックな人材のシフトを行っています。