細川 馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

細川:遠藤さんのプロフィールを簡単に教えてください。

遠藤:オラクルに入社したのはピープルソフトが買収された2005年になり、オラクル歴は11年目に入ったところです。その直前はGEで採用や組織開発中心に携わってきました。オラクルに入ってからは日本の人事の責任者として買収での統合を含め、人事業務全般に関わってきています。

細川:ずっと人事畑を歩んでこられましたが、人事の課題も時代の移り変わりとともに、変化してきているんでしょうか。

遠藤:随分と変わってきましたね。10年前は単純に優秀な人材の採用、人材開発が人事の主な課題でしたが、市場が変化し、弊社ではグローバルのカウンターパートと一緒に仕事をするような環境になってきたこともあり、社員の働き方も、社員に求められる能力も変わってきました。グローバルにコラボレートして仕事をするようになりましたし、技術の進歩によって、これまで人事内でしていた仕事をアウトソースしたり、システム化やオートメーションに変えていったりもしています。まずは、人事メンバーの仕事の在り方にも大きな変化がありますね。

10年前は変化のスピードがもっとゆったりしていたと思うのですが、テクノロジーやソーシャルが業務の一部に組み込まれ、そのスピードが急激にアップしました。そのため、以前は10年ぐらい先が読めたものが、5年くらいしか読めなくなり、今は来年の今頃、この業界がどうなっているのかさえ分からなくなっているのが現状です。

今のスピード感の中で、どうやって人が能力を発揮していくかや、どうやって既存の社員が変化に打ち勝つような能力を発揮していくかというのが、今の大きな課題になっていますね。たくさん課題はありますが、変遷とともに人の働き方や求められる能力が変わってきていると思います。

細川:外資系のHR特有の難しさというのはあったんでしょうか。

遠藤:本社がアメリカなので、本社主導の施策やストラテジーももちろんあります。しかし、実際に日本にいて日本のお客様に対応しているわけですから、日本のお客さまとグローバルのイニシアティブを両立させていく難しさはありますね。重心をどちらに持ってくるのかは時代によっても違いますし、リーダーによっても変わりますから、行ったり来たりしていると思います。大切なのは、そのバランスですよね。

ビジネスの成長を支援するのが我々の大きな仕事ですが、そのためには、コーポレーションばかり見ていてもダメなんです。日本の市場・お客さまを見ていかなければなりません。でも、あまりにも日本のお客さまだけを見ていると、変えるスピードが遅くなりますから、そこにジレンマがあります。2つのステークホルダーのバランスをどうやって取っていくかという難しさですね。外資系特有の難しさというのは、その辺りだけではないでしょうか。

細川:レポートラインはアメリカですよね。その辺りのバランスも難しそうですね。

遠藤:私の上司はアメリカではなく、シンガポールにいます。バランスは取るようにしていますが、基本的には日本の事業が伸びていくことが一番ですので、今はどちらかというと市場でどうやってオラクルが強くなるか、という方に重きを置いていますね。上司はサポートもよくしてくれますし、日本のこともよく理解していますので、非常に働きやすい環境を作ってもらっています。ある程度グローバルにも信用してもらえるような努力をしながら、日本で出てくる様々な課題に対応しているという状況です。難しい時もありますが、比較的やりやすい環境でさせてもらっていると思います。

日本オラクル株式会社
遠藤 有紀子(えんどう・ゆきこ)
日本オラクル株式会社 執行役員
出身は埼玉県。
1986年にバンク・オブ・アメリカ東京支店入行。
1993年に日本ゼネラル・エレクトリック(GE)株式会社入社後、1994年より人事部に配属。
その後、GEキャピタル・コンシューマーファインナンスにて人事、GEエジソン生命にて営業組織の組織強化、人事部にて組織開発、クライアントマネジャー(部門担当人事)に携わる。
2004 年8月、日本ピープルソフト株式会社 HRディレクターとして入社。
2007年より、現職。