従業員が増えるほど、制度や仕組みが重要になる

細川:人数が増えてくる時のポイントは何だと思われますか?

寺岡:店が1つや2つの頃は創業者が見られたわけですが、私がちょうど30歳くらいの時に、従業員数が100人ほどになりました。その時「そういえばうちの会社って就業規則とか何にもないですね」と創業者に言ったら、「そうだな。おまえ法学部だから作れよ」と言われたんです。それから、会社の制度や仕組みをきちんと作ること、新卒を定期的に入れて会社の原動力にしていくことに取り組みました。

細川:コンサルタントを雇うのではなく、会長が整備されたんですか。

寺岡:2カ月くらい部屋にこもって、本屋でいろんな本を買ってきてやりました。だから、つい最近まで、会社のいろんな規程を一番分かっていたのは私だったんです。

細川:大勢の人がいると、仕組みがないと回らないですからね。

寺岡:回らないですね。それまでは胸先三寸で、昔は本社のあった鶴川の駅前のホテルに幹部が10名くらい集まって、「今年は頑張らなかったから、昇給3000円」「まあまあだったけど、結婚したから8000円にしようかな」というような感じで一人ひとりのベースアップを決めていました。だから結果と給与を結び付けて、何年経ったらいくらくらいになるのか見える仕組みにしたんです。

私も入社した時に、当時の経理の専務に呼ばれて「寺岡くん、いくら給料欲しいんだ。言うだけ言いなさい」と言われたんです。当時の初任給は8万円くらいでしたから、吹っかけてやろうと思って「12万円ください」と言ったら「ああ、いいよ」と即答されました。12万円くれるならと思って入って、6月になり、世の中はボーナス時期になったんですが、うちの会社では誰も何も言わないんですね。まだ入ったばかりだからないのか、しょうがないなと思っていたら、12月になっても誰もボーナス、ボーナスと騒がないんです。「すみませんが、ボーナスどうなってるんですか?」と聞いたら「ないよ」と。だから12万円と言っても気楽にくれたのかとそこで気がついたんです。当時は雇用契約書もなくて、口約束でしたからね。