細川 馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

細川:会長が考えている「会社を成長させるキー」とは何ですか?

寺岡:消費者のお困りごとを解決することです。それが、我々が一貫して取り扱ってきたテーマです。「買うにはもったいない」「自分がやるのは面倒くさい」「誰かに代わってやってほしい」「もっとこんなものがあったらいいのに」ということを、我々が代わりにやってきました。

例えばダスキンもそうですね。掃除のモップや雑巾のレンタルがどうして50年も60年も続くのかといえば、主婦にとって大変なことのひとつがお掃除だからです。雑巾を絞って腰をかがめて拭くのは一仕事ですが、モップを使って水を使わずに埃が取れるようになったことで、お掃除の時間が短縮され、空いた時間を有効活用できるようになりました。パートやアルバイト、社員として働くこともできるし、趣味の時間も増え、身体も楽になったんです。クリクラのお水もそうです。ペットボトルは重たいですし、冷やしたり温めたりしなければなりません。それを我々が代わって家までお届けして、サーバーをお貸し出しすることによって、簡単にいつでも美味しいお水やお茶が飲めるようなりました。ボトルも回収してリサイクルしていますから、環境にも優しいということですよね。

それから、15〜20年前は、家を買うことは一生に1回だと誰もが思っていました。しかも子供がある程度大きくなって、頭金がたまって、ローンが組めるようになってという時代にならなければ買えなかったわけです。でも、土地はどこで買っても値段は同じですが、上物は違います。例えば3000万円のところが、レオハウスであれば1500万円で済みます。安いということは若い人たちにも買えるということです。余った資金を教育資金にも回せますし、今まで手が出なかった若い人たちに、住宅を提供できるようになりました。このように、我々は生活の中で皆様が困っていることに対して、自分たちができることはないかという考え方で商品を開発したり、様々なことをやってきたんです。

細川:お客様の生活をより良くしてあげようという、イノベーションの考え方ですね。

寺岡:これからは高齢化社会になりますから、物の欲求よりも自分の代わりに何かをしてほしいとか、何かを買ってきてほしいというような、サービスの欲求の方が増えてくると思います。

株式会社ナック
寺岡 豊彦(てらおか・とよひこ)
株式会社ナック 代表取締役会長
1952年6月1日、京都市生まれ。私立洛星高、早大法卒。
1977年4月 株式会社ナック入社
1990年9月 取締役経営管理室長
1994年6月 常務取締役 第1 事業部長
1997年7月 専務取締役 レンタル事業部長
2005年6月 代表取締役社長
2015年6月 代表取締役会長(現任)
座右の銘は「競争なくして成長なし」。愛読書は井上靖の『天平の甍』。趣味はゴルフと大リーグ観戦で、年に一度は渡米して試合を見る。休みが3日取れれば海外旅行に行ってリラックスする。世界3大瀑布のうち、まだ見ていないアフリカのビクトリアの滝を見物するのが当面の目標。