無意識のバイアスを取り除く研修が、女性活躍推進に奏功

 次にインクルージョン&ダイバーシティの取り組みですが、こちらは2006年ごろから実施しており、「女性」「クロスカルチャー」「LGBT」「障がい者」の4つの柱で進めています。

◆女性

 アクセンチュアのグローバルオフィス全体で見ると、主要国の中で日本の女性比率は最低レベルです。取り組みを始めた当初は私と同格のMD(マネジング・ディレクター)の女性は120人中2人。そうした中で女性の管理職を増やすという方針を定め、長期的なキャリアに対するサポートを強化しました。多様性を受け入れるマネジメントを浸透させるため、リーダーシップ改革も同時並行で進めています。

 女性が活躍することが会社にとってもプラスだということは、グローバルでは当たり前の認識でしたが、日本は女性が少ないために「女性の活躍がビジネスにプラスに働く」ということに懐疑的な雰囲気がずっとありました。それが、女性が徐々に管理職に就き、成果を出すようになったことで、ビジネスに貢献するということが見えてきた。2009年ごろからは女性のプロフェッショナル研修を増やしたり、「3Rスポンサーシッププログラム」を始めたりしています。3Rとは「right sponsor」「right role」「right client」のこと。その人に適切なスポンサーがいて、適切なプロジェクトで、適切な役割を担っているかどうかをチェックするというものです。

 女性管理職を増やす取り組みを始めた経緯の一つとして、プロジェクトリーダー(PL)に就くのは男性が多いということがありました。女性は陰でハードワークをこなしているのに評価されないことが当たり前。そこで、きちんと成果として認められるような仕事を割り当ててくださいと指導しています。女性であっても男性と同等の成果を出すことで評価が上がり昇進にもつながりますし、本人たちも自信を持ちます。

 とはいえ、人間は誰しも自分と似た背景の人に親近感を覚えます。ともすれば自身の「必勝パターン」が通用するような、自分と似たような人をチームに集めたがることもあります。そういった人間の傾向性とも向き合わないと、男性ばかりの環境で女性が活躍することは難しいため、すべてのリーダーに対してアンコンシャスバイアストレーニングを実施しています。出産、育児をしながら働く女性に対してこんな役割は無理だといった、評価する側の思い込みや無意識のバイアスを取り除く。まだ完璧ではありませんが、徐々にジェンダーのダイバーシティがスムーズに進む流れができています。

 こうした取り組みを働き方改革とセットで行うことで、社員の女性比率30%、管理職比率は15%まで伸びています。2020年には女性比率33%、できれば35%をめざして取り組んでいます。