実施にあたっては、当社がお客様にビジネスとして提供している組織風土改革のフレームワークを活用しました(下図)。 ①方向性の提示と継続的な効果測定 ②リーダーのコミットメント ③仕組み化、テクノロジーの活用 ④文化・風土の定着化 という4象限からなり、経営層から現場へ、ハードとソフトの両面から変革を促しています。

アクセンチュア/組織風土改革のフレームワーク
アクセンチュア/組織風土改革のフレームワーク
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 まず方針とKPIを設定し、実行できているかをモニタリングするPDCAサイクルをつくりました。同時に各リーダーに目標を自分の言葉でコミットさせたのですが、その段階で現場では反対派の方が多く、「あんなこと、できるわけないじゃん」というメールが飛び交いました。そうした「できるわけがないこと」を可能にする新しい制度づくりや既存の制度の見直しをするのが仕組み化の部分。そして、反対派がある程度落ち着き、自分たちのものにしていくフェーズになると、いろんなことが進むようになります。ただ、人は時々過去の習慣や考え方に戻ってしまうことがあるので、それがないように繰り返しいろんなことをしていくのが④のフェーズ。この4つをぐるぐると回しているのが今の状況です。

社員が工夫して働きやすくなった好事例は全員で共有化

 各フェーズでの具体的な取り組みをご説明します。

 ①では3カ月に1回調査を行い、進捗状況を見えるようにしました。無駄な残業をしていないか、現場での理不尽な要求が減っているか、問題があった時に正当なプロセスで物事が解決しているか、といったことのほか、定期的にチェックすることで「この組織はよくなったけど最近はリバウンド傾向にある」「この組織はより進化している」といったことも分かるようになっています。

 ②では、よくないことが起きているプロジェクトの現場に対し、本部長に直接ヒアリングをさせるようにしました。リーダー自らが行動することが、一人ひとりの行動・意識を変えることに大きく寄与しています。

 ③については、上司が呼びかける会議を18時以降原則禁止に。短時間勤務制度を入れたり在宅勤務を全社員OKにしたりといった勤務体制の柔軟化もはかりました。特に在宅はいろんな人が仕事をしやすくなったようです。社員が工夫して働きやすくなった好事例はPRIDEツールボックスと呼ばれるサイトで全社員に共有できるようになっています。

 仕事をしやすくなった、残業が減った、離職率が下がった、有休をとりやすくなった、女性の比率が上がったといった変化が現れたことで、社内では今後も生産性向上に向けた取り組みをしようという雰囲気になっています。現在はワークスマートと言えるレベルまで持っていけるよう、「有休100%取得をめざす」「社内事例の共有の加速」「一人ひとりに合った仕事の内容ややり方を重視する」といった点に力を入れています。