日経BP社では、少子高齢化による人手不足や長時間労働是正、生産性向上といった課題が山積する中、企業の成長につながる真のダイバーシティ推進と働き方改革を考えるセミナー「ダイバーシティと経営革新」を開催。政府担当者、先進企業の経営層、学識者が登壇した講演の中から、アクセンチュア執行役員の堀江章子氏による特別講演「ダイバーシティが企業を強くする アクセンチュアの取り組み」の内容をお届けする。
(文=谷口絵美、撮影=竹井俊晴)

ビジネス側と人事が一体となって取り組むことが重要

 私はアクセンチュアでインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)の統括をしていますが、メインの担当は金融サービス本部アジア・パシフィック証券グループの統括で、人事の専門家ではありません。ビジネス現場の実情に即したダイバーシティの推進を実践するためには、ビジネス側の人間と人事とが一体となって取り組むことが重要であるという考えから、このような体制になっています。

 アクセンチュアはグローバルで55カ国、200都市に拠点があり、多様なカルチャーや宗教的なバックグラウンドの方がいます。男女比率はグローバルでは女性が35%。従業員は41万人を超えています。日本のオフィスは約9000人の社員がおります。

 アクセンチュアには「スチュワードシップ」「クライアント価値の創造」「ベスト・ピープル」「ワン・グローバル・ネットワーク」「個人の尊重」「インテグリティ」という六つのコア・バリューがあります。最初の二つ以外はすべて人材に関することであり、中でも個々人のありようを重視することに最も力を入れています。女性、男性、LGBT、子どもがいること、いないこと、国籍、宗教的バックグラウンドといったことを全部尊重して、その人にできる仕事を任せています。

アクセンチュア執行役員 堀江章子氏
アクセンチュア執行役員 堀江章子氏

「Project PRIDE」という組織風土改革を開始

 まず初めに、「Project PRIDE」というアクセンチュアの風土改革についてご案内したいと思います。

 従来型のコンサルティングの仕事のやり方というのは女性や外国人といった多様な力を生かしやすいものではなく、採用市場においても「大変そうな会社」だと悪いイメージを持たれていました。働き方についても、時間当たりの生産性よりも仕事をしている時間の量で価値が決まるというような考え方で人を見ることが一部に根付いていましたが、ダイバーシティとリクルーティング、働き方の観点で見直しをしなくてはいけないという話が3年ほど前から始まりました。

 プロフェッショナルとして自信を持って仕事ができること。誇りを持って人に紹介できる会社にすること。そのために、全従業員がイノベーション活動として臨むことをゴールに設定しました。