1974年の創業当初から女性を積極的に登用・活用してきたアフラック。97年には業界初の女性役員を輩出し、話題となった。14年からは女性の活躍推進プログラムをスタート。2020年までに指導的立場(課長代理以上の役職)に占める女性の割合を30%にするという目標数値を設定し、さまざまな取り組みを実施している。今回は、そんなアフラックの山内裕司社長に、ダイバーシティ推進にかける思いを伺った。

インタビュアー 麓幸子(日経BPヒット総合研究所長・執行役員)
構成・文 岩井愛佳

麓:アフラックのダイバーシティ推進活動の取り組みは、経済産業省主催の「平成26年度ダイバーシティ経営100選」を受賞するなど、社外からの評価も高く注目されています。社長ご自身も社内で実施されているダイバーシティ関連の研修には熱心に同席されていますが、どのような思いでダイバーシティ推進に注力されているのでしょうか?

山内社長:私が研修などに積極的に参加するのは、会社としてダイバーシティ推進に本気で取り組んでいることを明確に示す必要があると思ったからです。

 当社は76年から4大卒の女性を新卒で採用していました。そのため、昔から優秀な女性が多く活躍しており、業界初の女性執行役員も輩出しています。ただ、振り返ってみると、女性を差別して昇格させないことは一度もありませんが、女性に活躍してもらうことを意識して何かをしたこともなかった。その結果、社員の男女比率は半々にも関わらず、男性管理職が圧倒的に多く、意思決定に関わる上位層も男性ばかりに。

 多くの男性は漠然と終身雇用のなかでずっと勤めようと思っているから、いずれは管理職になって……と何となくは考えているもの。一方女性は、目の前の仕事に一生懸命取り組んではいるけれど、管理職、幹部と上を目指している人ばかりではありませんよね。これまで育児と仕事が両立できるような制度は整えてきましたが、これからは女性社員にもっと活躍してもらえるよう、後押ししたいと考えています。

麓:女性たちの背中を後押ししないといけないとお考えになったのはなぜでしょうか?

山内社長:経営幹部15人ほどが集まる会議に、女性はたった3人しかいない。そこに危機感を抱きました。 昔は保険に加入する際は男性に決定権があることが多かったですけど、今は奥さんの意見がかなり強くなっています。現場レベルでは女性主体で女性のためのがん保険を開発し、ヒットするなど創意工夫が見られますが、大きな意思決定の場に女性の声が反映できているかというと、まだまだ。変化の激しいマーケットの中で生き残っていくためには、男性とは違う視点での意見が必要だと考えています。

アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)社長
山内 裕司(やまうち・ひろし)
1952年東京生まれ。1976年、埼玉大学理工学部卒業。新卒入社1期生としてアフラック入社。1999年に執行役員、2002年に上席常務執行役員、2005年にCAOJ(Chief Administrative Officer for Japan)を兼任、2012年に専務執行役員となり、2015年1月より現職。