学生の売り手市場と言われる昨今、採用活動に苦労する人事担当者が増えている。そんななか、様々な手法でリクルーティングに成功している企業の事例を見ていく。まずは周年を機に書籍を制作し、学生への訴求を図った企業を紹介しよう。

 建設・土木工事、造船・プラントメンテナンス、鉄道工事などの分野で様々な機械を取り扱うレンタルのニッケンは、2017年7月で創業50周年を迎えた。周年事業の一環として制作・発行したのが、『建設機械レンタル会社図鑑』(日経BPコンサルティング刊)である。豊富なイラストで建機レンタルという業務を説明したオールカラーの絵本で、子供から大人まで楽しみながら読める。

 周年を機に制作した社史・周年史を、社員やステークホルダーに配布する例は多いが、レンタルのニッケンは市販書籍として制作し、書店や図書館を通じて多くの読者にアピールしたところがユニークだ。

 同社は1967年に日建産業として栃木県で創業。当初は機械販売を行っていたが、その後建設機械のレンタル業をスタート。自社工場を造ってオリジナル機械の開発や供給も展開している。2017年現在、商品数は約6,800種類、約90万点。建設現場だけでなく工場、鉄道、林業、空港、各種イベント会場など様々な場所で活用されている。

 50周年にあたり顧客向けの謝恩会や社内イベントも開催したが、同時に同社の認知度向上と採用強化も図ろうと考えた。「弊社はBtoB企業で、これまであまり広告宣伝をしてきませんでした。新聞広告やテレビCMは、インパクトはあっても瞬間的で記憶に残りにくい。そこで、書籍で広く一般の方にも訴求することを検討したのです」と語るのは、レンタルのニッケン営業支援部長の信長太郎(本名:有賀一寿)氏だ。注)

レンタルのニッケン営業支援部長の信長太郎氏
レンタルのニッケン営業支援部長の信長太郎氏

 注)レンタルのニッケンでは、公私の区別をつけるためビジネスネーム制度を採用している。( )内が本名。