本来女性は横糸で、共鳴でエネルギーが出るはず

 先ほど男性は女性のロールモデルを1つの形で決めがちだといいましたが、独身の女性たちの物の見方もちょっと男性に似ています。時短勤務で権利をめいっぱい使いながら緩く働いているように見える女性たちが数名いれば、「女性活躍推進=ワーキングマザーの優遇ばかり」でずるいという短絡的な結論になってしまいます。

 でも、時短をとりながら介護している女性や男性たちが周りにいた場合、介護者はずるいとなるかといえば、そうはなりません。独身女性は、心のどこかで、ワーキングマザーをうらやましいという気持ちがあります。これは母性がさせる当たり前の心の動きです。しかし、女性は本来なら、共鳴する力、多様なものを受け入れる柔軟性が男性よりもはるかに大きいはずです。自分が独身で今は心配事や背負うものがなくても、今後、親の介護や、自分の病気などで周りに迷惑をかけながら働くかもしれない、だからお互いさまなのだと思えるはずなのです。

 私は女性の持つ母性の素晴らしさとは、「私はこんなに苦労して今があるのよ、私のように頑張りなさい」といった気持ちではなく、いつも部下や後輩に対して「私よりも、もっと幸せになりなさい。応援するから」という気持ちで後輩、年下の女性たちに向き合えることだと思っています。

制度先行ではなく、本気の意識改革・意識共有を

 女性活躍推進から、ダイバーシティ推進、そして働き方改革と、組織を昭和から変化させていくための改革は、これからもどんどん進んでいきます。それを企業が今までのように制度先行ばかりで進めていけば、いたるところに不協和音が聞こえてくるはずです。お互いを尊重して大切にしながら、助け合い共鳴していく組織の実現こそが、組織風土改革を加速させるポイントです。

 来年こそ、制度改革から、本気の意識改革、そして意識共鳴をしていく組織になるために、やるべきことに目を向けていきましょう。

植田寿乃氏のセミナー
『ダイバーシティ推進を成功させる組織風土改革』〜本当の組織風土改革を実現するために〜
【日時】2017年1月23日(月)
【会場】大阪科学技術センター(大阪市西区)
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『女性リーダーのためのエンカレッジ(応援)研修』〜活き活きとしたロールモデルを目指して〜
【日時】2017年2月2日(木)、3日(金)
【会場】日本生産性本部(東京都渋谷区)
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『働き方改革待ったなし!組織成果につながるダイバーシティ戦略重点事項』
【日時】2017年2月20日(月)
【会場】日経BP社(東京都港区白金)
植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント。IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。