時短だって日帰り出張

 「ようやく今年からは日帰り出張ができるようになったんです。大阪、札幌、福岡へと行っています。一緒に出張する男性もイクメン30代だから、出張の計画はすべて日帰りで組んでいます」

 彼女は8歳と4歳の男の子を持つ36歳のワーキングマザーです。私が会ったのは5年前、私の主催する「女性と組織の活性化研究会」でした。彼女は、時短勤務での子育てと仕事の両立に悩みながらも、会社の自分を含めてワーキングママが失速しないように女性活躍推進を進めたいと強い気持ちを当時から持っていました。

 それから5年。研究会に参加して熱心に学び、会社に与えられた役割とは別に、女性活躍推進の社内論文を書いたり、自主的な女性応援の勉強会を昼休みに開催したりと、仕事+αの自主的活動を続けていました。それが会社に認められ、今や会社のダイバーシティ推進、女性活躍推進のキーパーソンとなっています。この5年間で、2人目の出産もしました。

 彼女は、女性講師の育成の場「植田道場」にも入門。毎月1回の土曜日開催にもほとんど参加し、今も学び続けています。彼女の悩みは、あまり育児に協力的でない夫のようですが、両親やママ友たちに支えられながら、働くことを含めた人生を謳歌しているように見えます。

 「本当は、もっともっとやりたいんですけど、24時間しかないので、その中で、優先順位を付けたり、今は我慢と自分に言い聞かせたりしています。でも、できることをたくさんやりたい!」

 彼女はまさにワークライフバランスを大事にしながら、「イキイキと働き、イキイキ生きる」を体現しています。彼女のことを応援する会社に、私は未来を感じます。

働き方改革したくないのが、部門長だったりして……

 「働き方改革」がすてきな改革ではなく、やらなくてはならない会社の命令であるかのように、社内に暗く重いムードが漂っている場合、それは部門長に責任があります。それを推進しなくてはならない、管理職自身が、それに対してどんな気持ちで向き合っているかを映し出しているのです。

 「今まで10時間かかっていたものを8時間でやれるわけがない」

 「短い時間でやれということは、手を抜けということか? 時間をかけなきゃ仕事はダメだ」

 「会社でやれないから、結局、家に仕事を持ち帰るようになってしまう、何の意味もないんだよ」

 「一斉退社日以外の日に残業が増えるだけなのに何でやるかな~」

 「部下が残業できなくなったから、残業のカウントをされない自分たち管理職が部下の分まで仕事を引き受けることになる。管理職いじめみたいなものだ」

 こういった言い訳をする男性管理職もいます。

 「働き方改革」に本音で賛同していない人は、やろうとせずに、できない理由、無理な理由、失敗する理由を並びたてます。今までの働き方、人生観、仕事観を変えたくない人、変えたら今までの自分を否定することになると思っている人たちの拒否反応です。長時間労働できることだけが会社にアピールできる自分の能力になってしまっている人たちだと思います。こういう人たちが管理職の場合、その部門、部署の働き方改革は進みません。自分自身が、働き方改革を体現する管理職こそが今、求められています。