「よく周りの男性管理職から、『君を含めて時短のチームでよくやっていけるね』と言われます。だけど私たちには時間制限がある。だからその中でしっかり結果を出すしかないんです。時間内にいろいろ仕事を進めるために工夫するしかない。それに皆が時短だからお互いさまで、楽しくやっていますよ」

 今年の春から、管理職としてチームを率いる彼女。2名の子供を持つワーキングマザーは、くったくのない笑顔で話してくれました。

 彼女と出会ったのは今から5年前の2012年頃。私の講演を聴いたことをきっかけに、当時主宰していた「女性と組織の活性化研究会」のメンバーになってからのお付き合いです。その後、彼女は男性管理職に向けての女性活躍推進&ダイバーシティの啓蒙&理解のための講演を十数回企画実施しました。さらにその後、女性管理職を増やすための「女性エンカレッジ2日間研修」を企画。その研修に私は、年間数回、登壇し続けています。

 彼女の会社の女性活躍推進&ダイバーシティ推進を応援して5年がたちましたが、その間、彼女の行動力、彼女のチームの行動力、エネルギーはどんどんパワーアップしています。異業種交流を含めた女性研修など、次から次へと企画を立てては行動し、それが受講者だけでなく、受講した女性たちの男性上司からも非常に大きな支持を得ています。

 「会社にやらされる役割」として働くのではなく、自ら仕事の中にいろいろな夢や可能性を見いだしているからこそ、その情熱や想いに周りの人たちが巻き込まれています。しかも、彼女のチームは、彼女を含めて時短のワーキングマザーで構成されています。まさに脱帽です。

 「女性活躍推進、ダイバーシティ推進のキーパーソンは、ワーキングマザーです」ということを、ずっと言い続けてきましたが、まさに、彼女と彼女のチームはそれを体現しています。彼女たちの働き方、生き方こそが、今、日本中の企業が取り組もうとしている「働き方改革」のロールモデルであると感じます。限られた時間の中で、質の高い仕事、付加価値の高い仕事をする。これこそが働き方改革の神髄なのです。

時間制約のない人たちの働き方と意識

 昨年までは「女性活躍推進&ダイバーシティ推進」の半日講演の中で、『働き方改革』についてのポイントをたくさん入れてほしいという要望を企業から多くいただきました。その結果、今年は「働き方改革&ダイバーシティ推進」というテーマでのお話をさせていただくことが多くなりました。このテーマでの講演は全社員が対象となるため、受講生たちの様々な反応を見ることができます。

 私の話を、大きくうなずきながら笑顔で聴いている人たちと、ちょっと不服そうな表情で聴く人たちの2パターンです。

 大きくうなずいているのは、ワーキングマザーとイクメンたちです。講演中の意見共有の時間にも家族の話などをどんどんしています。ワークライフバランスを大事にしたい子育て世代にとっては、長時間労働が美徳であり、評価も量的評価が中心だった世界が一転。長時間労働が悪となり、限られた時間で質の高い仕事、付加価値を上げる仕事をすることが高く評価されることは、まさに家庭を犠牲にして働く必要がなくなることを意味するからです。

 しかし、ちょっと不服そうな表情で聞いている人たちもいます。まず、「昭和な働き方」をしてきた45歳以上の既婚男性は困り顔です。また35歳以上の独身、または既婚でも子供がいない男性と女性も今一つピンとこないといった表情です。実は、年代や人生の背景が似通っている彼らには共通点があります。