植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

「今日も、男性だけのクラスですね。 皆さんはこの状態に違和感ありませんか?
私はとても違和感ありますし、時代はまだまだなのかなと残念に思います」

 これは私が講師を務めた某企業グループの新任役員向けダイバーシティ研修での最初の一言です。昨年の4月から依頼されて、10回を超え、毎回15〜20人の新任役員のクラスに女性が入ったのは1回だけで、もちろん1人でした。

 女性活躍推進法の制定により、女性管理職数はもとより、取締役にも女性をと焦っている企業も多いようです。2015年9月の女性と組織の活性化研究会(http://newo.jp/)のアンケートで、女性の最高職位を訪ねたところ、回答いただいた29社のうち、約30%が取締役(執行役員含む)と答えました。続く答えが部長29%、課長38%。この研究会に入っている企業は、女性活躍推進の最先端という会社ばかりではありません。これらの企業の管理職における女性比率は15%以下が90%、4%未満が65%です。

 では、なぜ、最高職位が取締役に30%になっているのか、これは社外取締役という裏技が効いているようです。

とりあえず女性の社外取締役を入れて体裁を整える?

「4月から女性の社外取締役が入ったんですけど…。別に何が変わったわけでもないし。女性が多い某企業で女性活躍とかをかつて手掛けてきたという方らしいのですが、うちの会社は女性の比率が1割程度だし、なんか戸惑われているみたいです」

「外資系出身のバリバリ活躍された女性が鳴り物入りで社外取締役に来たのですが、いきなり女性たちを集めて『この会社の女性たちの意識は低すぎる』と言われて、なんかショックです」

「どうせ、60代の男性経営陣たちが選んで連れてきた女性なので、何も期待していません」

 最近、女性の社外取締役が大人気です。女性の社外取締役を斡旋するようなビジネスも登場しています。女性活躍推進法の制定で、この女性社外取締役ブームはますます広まるかもしれません。しかし、社外取締役は所詮「社外」、つまり部外者、その会社で頑張っている女性たちのロールモデルや悩みや戸惑いを受け止め、応援をするメンターになることはまず難しいのを知っている経営陣はどれほどいるのでしょうか?