20代の、いろいろな経験自体が喜びになる『成長期』、30代は自分で仕事も判断できる一人前になる『自立期』、そして40代は仕事で多くを期待される『責任期』。会社人生における役割をしっかり自覚できる時期です。つまり、会社から必要とされているという感覚が、働くうえでも感じられる時期です。

 しかし、50代は必ずしもそうではありません。昭和時代を振り返れば、ピラミッドを上り詰め、体力は落ちてきているのにプライドだけが高くなる。周囲が扱いに困る世代として煙たがられることもありました。40代と同じ仕事ができると本人が頑張っても、それが空回りに見えて、周りからは早く後進の40代・30代に席を空けてほしいと思われることも。

 そういった少し先輩である50代、昭和世代の姿は、 残念ながらロールモデルではなく反面教師でした。まさに今、50代に突入してきている方々のモチベーションを下げています。「自分は必要とされていなくても、金銭的に困るから年金が出るまでは働くしかない」というところにたどり着いてしまう方が多い。だから50代になると失速してしまうのです。

・お金のためと割り切って、何も考えず淡々と働く

・言われたことだけを最低限だけやるように働く

・首にならない程度に適当に手を抜きながら働く

・人に関わらず自分の専門分野だけ、得意なことだけで働く

・自分の過去の実績や自慢を周りにしまくり、今の待遇に
 不満を言いながら働く

・昭和人生設計図が壊れたことを恨みながら、しかたがなく働く

 もし、こんな気持ちの50代の方ばかりが増えていったら会社はどうなるでしょうか? 私は17年間、「モチベーション」をテーマに研修をしています。働き続けるための自分自身のモチベーション、やる気や意欲、動機付けはすべての人に重要です。それには、注目すべき2つの要素があります。

 1つは、自分がやるべき仕事や求められる役割が、自分を磨き、自分の可能性を広げて夢につながると感じ、興味を持ち、積極的に関わりたいと思えているかどうか。もう1つは、組織の中で、周りの人との信頼関係が育まれているかどうかです。

 この2つが満たされている方々は、自分が働き続けることへの自負と、会社へのエンゲージメントに支えられて働き続けられるし、会社にとってもいつまでもいてほしい存在になることでしょう。

 この連載でも何度も触れていますが、50代に求められる役割は「貢献」です。自分の経験や知識のすべてを、後進のため、会社のために与えることです。昭和時代の働く人生にはなかった役割です。40代の「責任」を手放し、50代の「貢献」にしっかりシフトできているか? 多くの50代は戸惑っています。

生涯現役で働くために、年代の役割を自覚する
生涯現役で働くために、年代の役割を自覚する