植田 寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

 私が講師の女性リーダー・エンカレッジ2日間コースがこの夏、毎週のようにありました。公開セミナーと企業研修です。女性のコースは集合時間から親しげな会話が飛び交います。特に継続して行っている企業研修では、先に参加した女性たちから内容を聞いていることも多く、研修を受けるのを楽しみに来ている人がたくさんいて、最初からとても盛り上がることもあります。しかし、今回はちょっと雰囲気が違いました。

 まずは、公開セミナーです。3年ぶりに宿泊型での女性コースですが、この宿泊という設定が参加者を偏らせてしまったような気がします。参加者は27歳から50代前半、30代・40代が中心の中、既婚率は30%ほど、ワーキングマザーもほとんどいません。女性のクラスには珍しく朝からの会話が少なく、休憩時間のたびにパソコンを開けて仕事をしたり、仕事の電話をかけまくったりしています。まるで男性の公開セミナーで見かけるような風景です。ひと昔前の私の姿、肩にちょっと力が入ったキャリアウーマン、企業戦士ガンダム女的な働き方をしている人も多そうです。受講動機を聴いたら、70%が会社からの指名で参加をしたということでした。

 研修がスタートしてすぐ、なぜ参加したかの動機を互いに話す場面で、彼女たちの本音が見えました。

「会社が急に女性活躍推進で女性管理職比率の目標が設定されたということで、私たちに有無を言わせずの指名で、このセミナーに参加させられました。今まで、女性を育てるとか教育するということを全然やってこなかったのに、突然、セミナーや研修で学んで管理職として上り詰めろと言われても戸惑ってしまいます」

「上司から、会社として女性管理職の活躍が期待されているのだから、他の女性リーダーたちから刺激をもらい、よいリーダーになるための知識とスキルを身につけてこいと言われましたが、すごいプレッシャーで憂鬱です」

「女性管理職がほとんどいない会社で、ワーキングマザーの管理職は私1人だけで、『お前こそが若い女性たちのロールモデルになるんだ。だから、もっと上を目指して頑張ってくれ』と言われてこの研修に送り出されました。ロールモデルになれって言われても、私は何を目指せばいいのか……」