受講生に対してのフィードバックは、30分のミーティング時間でできることだし、今後のことを相談するなら、お酒の入らないクリアな頭でお話しするのが一番であること、またお酒が入るような場での会話は信頼性に欠けるとも感じました。残念なことにセクハラまがいなことを言われたりすることさえありました。

 だいたい、信頼関係は仕事での通常のコミュニケーションで十分に深められるし、何より研修や講演を全身全霊で行った後はクタクタで、正直、しっかり休養をとりたい。ビジネスディナーは私の体調管理においても悪影響の方が多いと思いました。

 私が、クライアントとの「ビジネスディナーお断り宣言」をした時に、営業担当者はかなり困りました。だから、しつこく誘うクライアントには、私から直接お伝えしています。ある企業で社長とのディナーにお誘いいただいたクライアントに私はお願いをしました。

 「社長が私とお話しされたいなら、研修後に30分~1時間、社長のために時間をとらせていただきます。食事はご遠慮致します。ミーティングが終わったら失礼させていただきます。研修講師という仕事、本当に体力を使います。翌日のために、しっかり休養して、ベストの体調とモチベーションで次の講演や研修に臨むことがプロフェッショナルとしてやらなくてはならないことなので、ご理解いただけたら幸いです」

 結果、数時間の講演の後、社長と30分ほどお話しさせていただきました。たぶん、ビジネスディナーよりも、密度の濃い有意義なミーティングになったと思います。ビジネスディナーでお酒を注がれ、機嫌を取られてというコミュニケ―ションが当たり前の中で、それを断って30分間の一体一のマジなミーティングに、先方の社長は笑顔で、とても新鮮に感じられたようです。部下の男性の方々はハラハラされていたようでした。

 昭和な男性が当たり前と思ってきた昭和な慣習の「仕事飲みにケーション」や「仕事仲間ゴルフ」。これを壊していけるのは女性だと思っています。

 私はワインが大好きだし、女子会も好きです。だから、お酒を飲むことが悪いとか、会社メンバーで懇親会や忘年会をやることが悪いとは全く思っていません。しかし、ビジネスディナーという名のもとに、あたかも大事な仕事の密談をその場でやるような昭和な風習、「それができないと経営幹部としては成り立たない」的な考え方は、働き方改革の時代に逆行するものだということに、男性経営陣、男性管理職たちに気づいてほしいと思います。

 「飲みにケーション」や「仕事ゴルフ」でしか部下や仕事関係者と信頼関係を育めない経営陣や管理職。今時、どう見えていると思いますか?

植田寿乃氏のセミナー
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10/3福岡 働き方改革実践セミナー
10/19大阪 モチベーション・リーダーシップ 公開コース
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植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント。IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。