オヤジコミュニケーションを断ち切るには

 私の30代、全日空グループで働いていた1990年代の頃、上司の管理職や役員のビジネスディナーにたびたび同行させられました。私がその時間を残業代につけた時には、これは仕事の時間ではないと怒られました。

 私:「ビジネスディナーは、仕事の話をする仕事の延長戦ではないんですか?」

 上司:「仕事の時間ではない。だから残業にはならない」

 私:「友達や仲間との食事会と同じと思っていいのですか?」

 上司:「違う、仕事の話をする仕事の場だ? こういう席もちゃんとビジネスマンは出なきゃダメなんだ。それに、おいしいもの食べてお酒も飲めるんだから楽しいだろう」

 私:「私には楽しい時間には思えません……。夜遅くまで仕事が続くわけですよね……」

 私にも、こんな気持ちがありました。しかし、そこから男性社会の中で生き残り、上り詰めるために、どれだけのビジネスディナーをこなしてきたか分かりません。

 それは、人材開発業界に転身した2000年以降も続いていました。しかし、3年後から、クライアントの企業の皆様に対して、営業を通じて「植田は原則ビジネスディナーは致しません。もし参加するとしても一切お酒は飲みません」と宣言しました。それまでは、研修や講演の後に、その会社の経営陣や人事部長との宴席が設けられることがたくさんありました。

 クライアント企業としては、「研修に対する感謝の気持ちを表現したい」「受講生の様子のフィードバックを受けたい」「さらなる展開の相談もしたい」、そして何よりも「私と懇親を深めたい」というお気持ちでのビジネスディナーのお誘いなので、お断りできずにいました。

 しかし、ある時、私はそれが間違っていると感じるようになりました。