植田 寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

私「8時30分に講師控室に集合とあったけど、45分を過ぎても担当者も誰も来なくて、私の講義は9時スタートでしょう。準備もあるから、教室を探してきて準備し始めたからどうにか間に合うけど、いったい今頃来て、どうしたの?」

Aさん「はあ」

私「もしかして、寝坊?」

Aさん「はい、寝坊で遅刻しましたが、何か?」

私とサブ講師2名「…(一瞬絶句)」

私「何か、じゃなくて、もし、私たちが、あのまま控室で待っていたら、9時スタートが間に合わなかったわよ。どうするつもりだったの? 今、大慌てで準備してギリギリよ」

Aさん「15分くらいスタートを遅らせたらいいかなと思っていました」

私とサブ講師2名「…(再び絶句)」

 これは、毎年1回、講義を担当している某国家公務員の係長研修のスタート3分前の担当者との会話です。彼はこの4月から研修担当となった30歳そこそこ、未婚のアラサーボーイです。9時スタートの講義の3分前に、私たちが殺気立ちながら準備をしている最中に、挨拶ともいえない態度で教室に滑りこんできました。驚いたことに、謝りの言葉は研修を終わるまで一切ありませんでした。

 彼自身、4年前に私の研修を受講生として受けているということで、先輩でもあるのですが、後輩たちを前に、しっかりしなくてはとか、責任ある態度をしなくてはという意識はないようです。後輩たちとじゃれあうように話している姿に、まるで中学生か……と錯覚してしまいます。帰り際、「先生の講義は人気ありますから、来年も僕が担当ですので、宜しくお願いします」という笑顔に反省の色は全く浮かんでいません。「寝坊で遅刻ですけど、何か?」と言えてしまう神経、民間企業だったら、今の時代だって上司から雷が落ちると思います。国家公務員かつ研修担当という状況が、彼を学生時代に引き戻してしまったのでしょうか?

 今回、私と一緒に研修を担当してくれた、サブ講師2名はワーキングマザーで、2人とも息子がいます。私よりも100倍母性の強い寛容な彼女たちも、怒りを通り越してあきれ顔でした。「自分の息子が、あんなふうにならないように育てないと」と笑いながら心に刻んでいました。

 私が30歳前後のアラサーの男性たちを教える機会は、あまりありません。女性は20代〜40代をたくさん教えています。30歳前後の男性の生きざまというのには、この研修だけでなく、私はかなり驚かされています。