バブルを20代で体験している昭和世代は、「物欲」が強くなってしまった人が多いように思います。湯水のようにあふれるお金で、好きな物、高額な物をいろいろ買えた時代でした。私の周りにいる独身アラフィフ女性たちの多くは、その時代にマンションを購入しています。車を持ち、今でもブランド物を好み、有名レストランでの食べ歩きに夢中です。まるで「独身でも幸せな自分を演出するのに大忙し」のようにも見えます。

 しかし、自分の5年後、10年後の自分の人生の真実には目を背け、見ないふりをしています。しかしその不安とストレスを周りの人との関係のなかで発散してしまうことになっています。自分は我が道を行っているかもしれませんが、周りからは関わりにくい困った存在になっている場面が増えてきています。さらにそのことに気づいていない人が多い。残念ながら、会社のなかで、すてきな先輩、すてきなお姉さん的な存在として、ロールモデルとなっているアラフィフの独身女性は少ないようです。

50代の女性たちが目指す姿は「母」

 「50歳を過ぎて、新入社員の世話係なんかをやらされるなんて思いもしなかった。学生気分が抜けない若い子たちと関わってもかわいいなんて思えない。腹が立つだけよ」

 この言葉を私の友人が言った時に、本当にショックを受けました。彼女はとても優秀ですてきな女性です。私たち仲間と一緒にいる時に、彼女は優しく、見せる笑顔はとても輝いています。しかし、彼女はその笑顔を会社では出せていないようです。彼女の母性はどこにいってしまったのでしょう。

 「先生みたいなお母さんだったらうれしいな!」

 この言葉は、私が50歳過ぎてから、女性対象の研修で受講生に言われて一番うれしい言葉です。実際に、時々言われることがあります。子供を産んだことがない私ですが、20代・30代の世代はまさに娘世代。見ているだけで全員がとても愛おしく感じます。そんな気持ちが受講生に通じたのだと、母の喜びを垣間見ることができた瞬間です。

 「先生の姿を見ていると、50代になるのが怖くなくなりました。人生、山あり谷ありでもイキイキ輝けるんだって」

 これは、40代後半の受講生の女性たちからよく言われる言葉です。私はとてもうれしくなります。働く女性の最先端で走ってきた50代の全ての女性たちは、独身でも皆、会社の若手メンバーたちの「母」になれるはずですし、ロールモデルになれるはずです。50代の世代の働き方、生き方が今後の会社の未来を握っている。昭和世代の人生観がこびり付いている男性だけでなく、『昭和バリキャリ独身女子たち』の意識改革、働き方改革が必須であると強く感じる今日この頃です。

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植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント。IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。