「この前までは、働く女性をリードするロールモデルだよとおだてていたくせに、ワーキングマザーでない独身のキャリアウーマンは反面教師扱い。手のひら返しの対応、やってられないわよ」

 これは私の友人、52歳の女性の声です。彼女は50歳の時に、人事異動&役職定年(課長職を降りる)の処遇を受けました。

 「この前の打ち合わせに集まった30代・40代の女性たちは全員がワーキングマザーで、独身は私だけ。打ち合わせ後の雑談で、子供や家族旅行で盛り上がっていて、なんか完璧に一人取り残されてのアウェイ感だったわ~。今はワーキングマザーが主流なのね~」

 こちらは、50代半ばの経営職の女性です。私の周りには、バリバリのキャリアウーマンとして仕事一筋に働いてきたアラフィフ(50歳前後)、50歳以上の独身女性がたくさんいます。私のように結婚歴のある女性もいますが、どちらかといえば独身で頑張ってきた女性のほうが多い。そして悲しいかな、そんな彼女たちが急速に失速してきています。

働く女性の最前線世代

 1986年に施行された男女雇用機会均等法を背景に、総合職一期生として期待された女性たちから約5年間がバブル時代を20代前半で体験している世代(1986年~1991年入社)です。バブル時代、超好景気のなかで、20代の女性たちはボーイフレンドをアッシー君(車でお迎え移動担当)、メッシー君(レストランで食事ごちそう担当)、みつぐ君(ブランド品プレゼント担当)などと呼び、男性たちにちやほやされていました。遊びながら、一番条件のいい男性と結婚しようなんて考えている女性も多くいました。

 しかし、そんな時代に、「私は自分の力で稼いで、男にこびることなく自由な『おひとりさま』の生き方を選ぶわ!」「男に負けないくらい活躍するキャリアウーマンになるわ!」と仕事を頑張る、バリバリのキャリアウーマン「昭和バリキャリ独身女子たち」もいました。彼女たちは男性以上に一生懸命働き、「女性初の課長」「女性初の部長」といった「女性初」のポジションを手に入れてきた人も多い。まさに、働く女性の人生をリードする、女性活躍推進のフロントラインを走ってきた存在でした。

 彼女たちは男性のように働くだけでなく、男社会の飲みニケーションをこなし、男性の大好きなビジネスゴルフももちろん得意。昭和な企業戦士として遜色ない働き方、男性社会に溶け込む生活をしていました。女性の人生として一番大事な20代から40代を、仕事と会社に全て捧げています。「結婚なんて考えません。私は仕事が命、仕事と結婚しているんです」なんて言うキャリアウーマンもいました。実は、30代の私もその一人だったのです。