植田 寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

 Aさん(女性)「研究開発職の第一線で働いてきて、自分ではまだできると思っているのに、会社の人事異動で本社の間接部門に異動になってしまったの。今まで会社のために人生のすべてをささげてきたという自負があったから燃え尽きちゃったというか、精神的に参ってしまって、結局退職しました。でも、家でゴロゴロできる身分でもないし就職浪人中。今から、いったいどうしたらいいのかな……」

 Bさん(男性)「去年55歳で役職定年になっちゃって、今は、なんというかサポート業務。まあ閑職ってことで、モチベーションはダダ下がり。といってこの年だし、辞めたり、転職したりするのも無理だし、働き続けるしかないってことで頑張っているわけよ。それにしても、今日の同窓会には、やっぱりサラリーマンは参加していないね」

 昨年10月に、中学校の同窓会に行きました。1学年130名ほどですが50%を超える出席率。私は30年以上参加していませんでしたが、4~5年に1回くらいやっていて、前回のお知らせが50歳前後でした。今回は56歳という年齢。ひと昔前なら、女性は全員専業主婦、男性も定年退職して悠々自適となっているはずです。

 しかし、私たちの世代くらいから、状況はちょっと微妙です。参加者のうち女性の専業主婦率は90%。家の外で働いている女性は、医者や教師になった人が数名、外資系に勤めた人、当時、頭脳明晰で工学系の大学に進み、研究職を目指した女性(Aさん)と私くらいです。Aさんは女性活躍推進の先頭を歩んだ一人です。

 再会はうれしかったけれど、55歳という節目の人事異動をきっかけに、歩んできた会社人生を終わらせたという彼女の言葉を聞いて理解はできるものの、残念なのと同時にやるせなさを感じました。

 同窓会に出席している男性たちの顔触れは、医者、大学教授、親の会社を継いだ社長ばかりで、Bさんが言うように普通の会社に勤めている人はほとんど参加していません。確かに、盛んに男性同士で名刺交換をしている様子を見ると、役職定年などで肩書が無くなっていたら「ちょっとこういう場は……」というのも分かります。

 あと10年もして、皆が引退モードになっていれば別でしょうが、56歳は微妙な年齢です。その後、男性同級生たちのSNSなどを知ってちょっとのぞいてみたら、仕事はソコソコ、クビにならない程度に働いて、趣味に没頭中という方が結構います。本人は人生を楽しんでいるようですが、会社側から見たらどうなのかな……なんて勝手に想像してしまいました。