打たれ弱く、すぐに辞める男性は、もういらない?

 女性部下A「4月の新人配属、うちは男性ですか? なんで女性じゃないんですか、がっかりです」

 女性部下B「男性は本当に育てるのに手がかかります。『僕は褒めて伸びるタイプですからよろしく』とか言うくせに、ちょっと注意されたくらいで休むし、結局は辞めてしまうし……」

 男性支店長「ほんと、俺もそう思うよ。新卒男性はダメだな。来年は女性が配属されるように頑張るよ」

 こちらは、前述とは違う某地方銀行のお話です。地方銀行というのは、地方都市においての民間企業のリーダー的な存在です。就職試験に合格するにも高いハードルがあります。ただし、そのハードルは男性に限っては、かなり下がっているようです。地銀を受ける女性たちは、総合職一本化のなかで、肉食系、パワフルで上昇志向の人が多く、就職試験に受かっても、より活躍できそうな民間企業を選んでいくといいます。それに比べて、男性は安定志向が強く、面接時の自己アピールも消極的なようです。どの男性もドングリの背比べみたいな感じで、女性を採用したいけれど女性だけを採用するわけにもいかずに、仕方がなく男性も採用しているという本音を、ここ数年、いくつもの地銀人事担当者から聞いています。

 入社面接で「ワークライフバランスを重視したいので、そこそこ働きたい。男性の育休制度はありますか」と言うのが男性で、「いろいろな仕事にチャレンジして、もちろん一生働き続けたい。支店長まで目指したい」というのが女性という、まさに男女逆転現象が起きているそうです。そのうち、女性が外で働き、男性が家庭を守るなんていう時代になってしまうのでは、と嘆く面接担当者もいます。

彼らが辞めてしまう前にできることは?

 男性が、新卒採用の時点からこういう状態であれば、数年後に「より安定」を求めて公務員へと転職をしてしまうのは仕方がないと思うかもしれません。しかし、「仕方がない」で諦めたり、「最近の20代・30代の男性は……」と世代差を理由にしたりしてしまうのは大きな間違いです。実は、20代・30代の男性たちが安定志向のまま、公務員に転職していく事実のなかに、組織の問題があることに気づく必要があります。

 今は女性が働き続けることが当たり前になっていますが、20年前までは「寿退社」をする女性たちが主流でした。女性が働き続けるようになるまでに、いろいろな変化がありました。制度面などの充実はもとより、女性たちの意識の変化こそが大事なターニングポイントでした。女性たちが自分たちの可能性に気づき、仕事の面白さに目覚め、会社での成長を望むようになりました。女性たちの意識改革のために、多くの企業が女性キャリア研修や女性リーダー応援研修などを行い、ロールモデルを育成しました。また、メンター制度を導入したり、男性管理職たちを対象に、女性部下を育てるためのポイントを理解してもらう講演や研修を行ったりするようになりました。私自身「女性を育てられない上司は、男性も育てられない」といった講演を男性管理職に対して数多くやってきました。女性の人生、ワークライフバランスを理解したうえで、女性部下を育成しなければと、少なからず思う男性管理職は確実に増えています。