3月に入ると昇格人事の内示が始まります。私が研修を担当したクライアントからも、受講者自身や研修担当者から「管理職になった」「課長から部長職に昇格した」といったメールが飛び込んできます。講師として関わっているだけの私に連絡が来るなんて、彼女たちとの距離感の近さにうれしくなります。

 私の主催する「植田道場」のグループラインにもメンバーからのメッセージが入りました。

 Aさん「副部長に昇格して異動することになりました」

 Aさんは課長職からの昇格です。ここ数年、初級管理職、課長職の女性は増えていますが、副部長や次長、部長へのキャリアを進めている女性は多くありません。

課長から上へは想像以上の大きなステップ

 初級管理職は、本人の経験値や知識、能力、そしてコミュニケーション能力を会社が判断し、その基準を満たしているかをベースに会社が選びます。管理職としての本人の夢や目標などではなく、管理職になる必要要件を満たしているかがポイントです。しかし、課長より上に昇格する場合は、職務や責任に対する自覚、管理職としてのビジョン、またモチベーションも要求されます。

 個人のキャリアビジョンの中に、管理職としての自分の夢や目標を持っているかが重要です。また、リーダーとしてチームのビジョンを描いたり示したりする力、会社や経営陣に対して自分の考えを提言していく力も要求されます。ただ真面目にやっていれば昇格するわけではありません。もちろん、上層部の顔色を見てのゴマすりや、根回しだけでは通用しません。本人が高い視点で会社や組織を見つめ、積極的に関わっていくことが必要です。重い責任や多くの部下を持つ覚悟も重要です。

 これらを求められた時、課長などのポジションの女性は足が止まる人が多い。管理職になった時より、とてつもなく大きなステップだと感じます。多くの課長職の女性たちが「課長で十分。これ以上の重い責任を負うことは無理」と感じています。Aさんもそんなことを言っていました。

 なぜ、女性にとって大きなステップなのか? 男性は管理職になったら、課長よりもできれば部長に、その上まで上り詰めたいと夢見る方が多いようです。男性特有の闘争本能、「縦糸」の強さからくるものかもしれません。それに対して、闘うことを好まず、自分だけが飛び抜けてしまうことを嫌う「横糸」の強い女性には、上昇し続けることを求められるとためらってしまいます。

 だからこそ、その大きなステップを超えたAさんに、20名の道場メンバーから一斉に「昇格おめでとう。やったね」のレスが入りました。Aさんは、「みんな、ありがとう。頑張ります!」と返信。強い決意と使命感を持ったようです。

女性管理職の活躍=男性管理職の失脚???

 Bさん「他の男性管理職の部門も私が一緒にみることになり、2つの部門のマネジメントをすることになりました。新しい領域、部下が増えました」

 Cさん「経営本体のマネジャーとなり、さらに大きな役割を任せられました。今までずっと男性が担当していたポジションです。まさに男性主導企業の本丸に入ることになりました!」

 BさんとCさんは同じ会社の部長職ですが、今回の人事異動で、さらなる重責を担う要職に任命されました。ともに男性管理職が外れて彼女たちが指名されるという大抜てきです。この人事異動で、社内には激震が走ったようです。