植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

 昭和の企業体質を引きずったまま、女性活躍推進、ダイバーシティ推進の流れに背を向け、頭で理解はしても他人事と自分たちが変化することを拒み続ける経営陣と男性管理職たちの集団。ああ、この会社は救いようがないかも、10年後に消えているか、買収されているか…

 「まさに沈みゆく、昭和のタイタニック号」と感じるような瞬間がこの1年間ほどの仕事の中で数回ありました。その中から、典型的な2つの会社のエピソードを紹介します。両社に共通するのは、女性比率が1割程度しかいない、いわゆる男社会の業界、だからこそ男性だけの軍隊型組織を続けている大企業です。もしかすると、日本中にまだ結構ある会社です。そして、見かける光景かもしれません。

目の前の業務優先、モチベーションに興味なし

 『モチベーションリーダーシップ ~部下を育て活かすリーダーになるために~』私の定番カリキュラムです。自分自身が活き活き働き、チームメンバーが活き活き働くことを応援できるようなリーダー、部下から信頼されるリーダーになるための気づきと変化の管理職研修です。

 今回の企業の参加者は45歳以上、50代中心の部長たちです。朝、参加者を見回せば、かなり疲れ果てている元企業戦士たちという印象です。笑顔はなく死んだ魚の目のように生気が感じられません。指名されたので来ましたという感じです。それにしても、参加者が聴いていた人数より少なくような気がして、研修担当者に尋ねました。

私「3日前の連絡では確か受講者は26人だと聞いていたけれど少なくないですか?」

「いえ~、そうだったんですが、それから今日までに3人欠席が出て、23人になりました。で。さらに今朝3人欠席の連絡が来て今20名です。まだ、休む人が出るか…へへへ」

私「なんで? まさかインフルエンザが流行っているの?」

「インフルエンザではなく、仕事の都合です。営業部長クラスを今回は集めていて、やっぱり忙しいからダメみたいな感じで」

私「今回の研修の参加者は、手上げではなくて、人事部からの指名と聞いたけど?」

「指名研修ではあるんですが…。現場の仕事が大変だと言われてしまえばそれまでで、強制力はないので…。本当に忙しいのか、研修受けるのが嫌なのか、興味ないのかわかりませんが…」

 この時点で、私はこの会社の仕事を、なぜ昨年に続けて引き受けてしまったのか、後悔の気持ちが高まりました。そうか、昨年の今ごろ、私はメンターの死などで心が非常に落ち込んだ状態で仕事をしていたので、クライアントに対する判断力を完全に失っていたに違いありません。