「まずは皆さんのモチベーション、イキイキ度合いの確認です。どのくらいのイキイキ度合いで働いていますか? 生きていますか? 人生最高だった時を100、どん底だった時を0として、ここ最近のイキイキ度合いを0~100までで感じてください。そして、それに影響していることはなんでしょう。仕事やプライベートでイキイキ度合いを上げたり、下げたりしていることに気づいてください。この後、周りの人と共有します」

 これは、私の講演や研修で必ず最初に受講生たちに尋ねる質問です。自分のモチベーションをチェックし、同じテーブルに座るメンバーたちと共有します。そして、私が全体共有をします。

 「では、私にも皆さんのモチベーションの状態を共有させてください。これから0~100まで10ずつ挙げて聞くので、自分がこのくらいかなと思ったところで正直に手を挙げてくださいね」

 今回の研修の受講生は30~40代、平均年齢38歳くらいの男性がほとんどのクラスです。あまり低いところで手が挙がる人はいなくて、40が一番下で、後は50~70で手が挙がりました。モチベーションが高めの人が多いのは、男性が多いクラスでは珍しいことです。次に、この研修の特徴でもある絵を描くワークに移りました。

 「今度は今の自分を鏡に映してみてください。どう感じたかをそのまま絵にしてみましょう」

 いつもの研修より、カラフルな色のクレヨンを手に取って描き始めた人が多いので、やはりモチベーションが高いことが分かります。5分後に自分の絵をほかの人に見せながら共有します。先ほどの数値で表した、自分の心の状態が実はよく見えてきます。モチベーション70で手を挙げていた人たちどんな絵を描いたのでしょう。

・ギター、バイク、趣味だけが描かれている絵
・家族との時間、趣味の時間、仕事の時間を3分割して、家族と趣味の部分がカラフルに、会社のデスクと種類が黒とこげ茶で描かれた絵
・家族と遊ぶ絵の隅に、黒で会社の絵

 プライベートが中心、またはプライベートばかりが描かれています。ちょっと気になる絵です。このクラスは絵を描きながら進行します。次に2枚の絵を描いてもらいました。

①充実感を味わい、自分のモチベーションが上がっていた場面
②モチベーションが下がり、落ち込んだ場面

 この2枚の絵を見て驚いたのは、①モチベーションの上がっている場面で、家族団らんの絵や、趣味の山登りをしている絵などプライベートの場面の絵を描く人が多く、②のモチベーションが下がっている場面を会社での自分の様子を描く人が圧倒的に多くいたことです。それも会社の部分の絵は、黒だけのクレヨンで描いたり、黒、グレー、茶で描いたり、そこに黒と怒りの赤で描かれていました。仕事では充実感を持つどころか、かなりまいっている様子がうかがわれます。

プライベートはイキイキするも、仕事ではモチベーションダウン

 最近、男性の30代、イクメン世代はワークライフバランスを大切にしている人が多くなりました。それはとてもすてきな傾向です。家族の話を楽しそうにする笑顔を見ると、男性も人生を大事にするようになったのだとうれしく思っていました。しかし、ワークライフバランスのなかで、イキイキ、充実しているのは家族と一緒の時と、趣味に興じている時だけで、仕事はかなりつらそうです。つらいのを我慢して、心にふたをして働いている人もいるようです。

 「今の仕事は楽しくないですね。上司は業績のことばっかり言う人で、ザ・昭和です。でも人事異動があるまで我慢するしかないです。会社にいる9時から18時は、仕事だから仕方がないと自分に言い聞かせています。家に帰って、家族の顔を見ると、一気にモチベーションが上がりますよ」

 「前は長時間働かなくてはならない風潮だったけど、今は残業できなくなって、正直ちょっとほっとしています。これで燃え尽きなくてすみますから」