植田 寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

 つい最近、世の中の流れでお尻に火がついて、慌ててダイバーシティ推進チームを立ち上げた地方のある中小企業のキーパーソンたちとのミーティングで、男性部長がこんな発言をしました。

A部長「うちの会社には、ワーキングマザーで管理職なんていませんよ。女性管理職を増やさなければならないし、女性たちが社内にはロールモデルがいないと言っている。だからいっそのこと手っ取り早く、中途採用でロールモデルになる女性を採用するつもりです。どうでしょうか?」

私「そんなのダメに決まっているでしょう。男性目線で女性を中途採用して、彼女をロールモデルに頑張れと他の女性たちに言うんですか?」

A部長「そうですが、何が悪いんでしょうか?」

私「ウインドーショッピングじゃないのですよ。ロールモデルというのは自分で選ぶものです。この人を見習えと与えたところで、本人が『この人みたいになりたい』と思えなければ全く意味がない。女性たちの気持ちがちゃんとわかっていますか? そもそもロールモデルは育てるものなんですよ。今いる女性たちをしっかり育てることの方が重要です」

A部長「そうでしょうかね。社内には対象者がいないですけどね」

 社長を含む男性3人と女性1人(ワーキングマザー)のこのチーム、私との意見交換を希望したので、私も真剣にお話をしたのですが、社長以外の男性2名の反応は聞く耳持たずで、自分の考えで突っ走りたいようでした。

 この発言をしたA部長は東京にある親会社から出向しているプライドの非常に高い男尊女卑系の50代の男性です。なぜ、この男性が女性活躍推進・ダイバーシティのキーパーソンに据えられているのか意味不明です。本人も役割としてやらされているので、結果を早急に出したいだけのように見えます。この会社の問題点は、遅々として進まないどころか、変な方向に向かっていることです。私とのミーティングの2時間はあまり役に立たなかったようで、この会社は現在も迷走中です。