2017年の年末最後の仕事は、某研究所での「キャリア形成支援研修」でした。参加者15名のほとんどが研究者で、男性が7名、女性8名の参加でした。受講者は手上げによる自主参加です。この1日の研修は、1カ月後、私との30分のキャリアカウンセリングがセットになっています。昨年までは女性対象のコースでしたが、男性の方々も参加したいという現場の声を聞いて男女ともに参加できるコースとなりました。

 女性たちは30代~50代。これまでの私のキャリア研修に参加した女性たちと同じような悩みを抱えていました。

●育児、子育てとのワークライフバランスや今後の仕事の方向性
●介護と仕事の両立
●リーダーとしてのプレッシャーや部下育成(男性)の悩み
●男性の多い組織での女性としての働き方

 それに対して、男性はどんな悩みを抱え、どんな心境で参加したのでしょう。

●40歳/まさに人生折り返した感覚に漠然と戸惑いを感じている方
●49歳・50歳/仕事での役割の変化に戸惑いを感じている方
●58歳/定年を数年後に控えて不安を感じている方

 まさにそれぞれの人生の節目に、自分の働き方、生き方に立ち止まっている方々でした。

 キャリアコンサルタントの資格を取る勉強をした時に、キャリアの語源について習いました。「キャリア」の語源は、ラテン語の「carrus(車輪の付いた乗り物)」といわれています。つまり、「キャリア」は車輪の通った跡(轍・わだち)を意味します。キャリアというと、どうしても狭義で「仕事の経歴」とだけ捉えがちですが、実は仕事・学習・趣味・家族など人生すべての過程、つまり「人生そのもの」がキャリアです。

 ダイバーシティ時代となり、私たちの人生は男性も女性も本当に変わりました。簡単にいえば、男性も女性も「元気な人は生涯現役で働き続けることが求められる」人生となりました。女性が家庭に入って仕事を辞め、男性も会社にいわれるままに仕事のことだけを考えて「頑張って定年まで働き続ければ終わり」ではなくなりました。

 結婚、出産、介護、自分の病気などライフイベントと両立しながら働き続けること、役職定年や定年という節目を超えて、さらに働き続けていくことが求められています。だからこそ、「生きること=働くこと」であり、いろいろな節目があって当然。それを乗り超えていかなくてなりません。

 多くの企業は、キャリア研修に取り組んできたかと思います。しかし、やり方としては階層別、つまり新入社員であったり、自立とリーダー的な役割を求められる30歳くらいの節目だったりします。しかも、「仕事におけるキャリア」のみに特化した研修を行いがちでした。30歳半ば以降は、管理職などの候補や管理職になった時の研修、また各種、知識やスキル研修などがあります。しかし、キャリア形成を支援するような研修がある会社は少ないのではないでしょうか?