安藤良治
人財育成コンサルタントPSマネジメントコンサルティング 代表

 2015年5月の調査でフォーチュン500社の10%以上の企業が、年に1回の評価・ランキングを廃止し、継続的なコミュニケーションを中心とするパフォーマンス・マネジメントの革新に取り組んでいることが判明しました。そしてその勢いは2016年に入ってからさらに加速しており、2017年までにはその割合が50%にまで達すると予測する研究者も現れているとのことです。

 参考になったのは、パフォーマンス・マネジメント革新(PMI)という株式会社ヒューマンバリューが運営するサイトです。PMIでは、2016年3月に「パフォーマンス・マネジメント革新フォーラム」を開催し、この世界的な動きについて講演とパネルディスカッションを行っています。以下PMIのWebサイトから抜粋して紹介します。

 新たなパフォーマンス・マネジメントの模索につながっている要因は、①ビジネス環境の変化、ビジネストレンドの変化、②従来のパフォーマンス・マネジメントの課題、③ニューロサイエンスの進化による新たな発見、の3つです。

 2番目の「従来のパフォーマンス・マネジメントの課題」についてみますと、今、見直しの機運が高まっているのは、以下のような現行のシステムに課題があるからです。

①従業員やマネージャーのエンゲージメント(愛着心や思い入れ)を低下させている

  1. ・人を評価することが「好きでない」「得意でない」といった拒否反応がある
  2. ・レイティングによってモチベーションが上がる人はほとんどいない

②マネージャーとメンバーの関係を悪化させている

  1. ・レイティングがメンバーを不安にさせる
  2. ・評価者のバイアスによって、客観性・公平性を担保できない

③かけるコストと得られる成果・効果がつり合わない

  1. ・膨大な時間をかける割に、効果がわかりづらい
  2. ・成果の向上やメンバーの成長に貢献していない
  3. ・内発的動機づけにつながりづらい
  4. ・仕組みの複雑性が高く、形骸化しがち
  5. ・他者との比較に焦点が当たる

④ビジネスの実態にそぐわない

  1. ・変化のスピードが速く、年1〜2回の面談では不十分
  2. ・頻繁なコミュニケーションとフィードバックが必要
  3. ・個人の取り組みより、コラボレーションが必要とされる