iCD導入に欠かせないトップの参画

──iCDの導入をどのような体制で進めましたか。

原田:情報システム本部にワーキンググループを設け、人材育成を担当する部署のマネージャークラスをメンバーに入れて検討を始めました。本部からはスモールスタートして大きく育てるとの方向性が打ち出されており、まず、1つの部門を対象にスタートしています。そして、2年目は対象の部門を広げるというように段階的に導入を進めています。

松本:トップの参画は当然です。まずトップが3年後の会社の姿を決め、それを実現するための目的・手段の要求分析を深く広くブレイクダウンしていきます。そして、検討会議は本部と現場のマネージャーで編成しました。社員は実際に現場に展開する際に関わってもらうようにしました。現場のマネージャーをメンバーにすることで、展開時に彼らが核となってくれます。

──iCDの導入をスムーズに進めるコツはありますか。

遠藤 修 IPA HRDイニシアティブセンター グループリーダー

遠藤:松本さんがおっしゃるようにトップの関与が欠かせません。これまでの経験から、現場のマネージャー、リーダーの役割も大きいと思います。最終的にいい制度は、現場の課長が喜ぶ制度であると言われます。実際に人材を育てる役割を担うのは現場のリーダーです。リーダーがiCDを理解し、導入に納得してこそいい制度になります。そのため、トップがコミットすることと、現場のマネージャーをうまく巻き込みながら進めていくこと。これがiCDの導入を成功させるカギとなります。

──iCDの導入効果はどんなところに表われていますか。

原田:iCDを導入してまだ日が浅いため、本格的な評価はこれからです。ただ、これまで現場のマネージャーが社員とスキルについて面談する際、何をすればスキルを伸ばせるのか客観的に示すモノサシがありませんでした。精神論的に頑張れというだけです。しかし、iCDの導入により、この仕事をすれば、これだけスキルアップができる。だから、この仕事をアサインするというように具体的に示すことができ、現場での活用を期待しているところです。

松本:社内では定期的に社員と面談していますが、限られた時間内で案件の話だけで終わってしまうこともありました。しかし、iCDを利用すれば社員自身のタスクとその遂行能力が分り、レベルを上げるために、この案件を任せるといった話ができます。また、マネージャーによって、社員にタスク能力アップの話をする際にばらつきが出ることがあります。iCDを利用することで、そうしたばらつきをなくすことができます。