情報通信システム開発の日立ソリューションズ・クリエイトでは、西條洋社長が社内へ積極的にメッセージを発信し、働き方改革や女性活躍を含めた社員の意識改革に重点的に取り組んでいる。背景にあるのは、日立製作所の子会社である日立ソリューションズのグループ企業という、同社独特の立ち位置だ。「一人ひとりが潜在的に持っている力をためらいなく表に出し、気持ちよく働けるようになることが目標」と話す西條氏に、改革への思いを聞いた。
(取材=麓幸子:日経BP社 執行役員、文=谷口絵美)

イクボスセミナーを集中的に開催、600人の役職者が全員参加

――昨年(16年)10月にダイバーシティの専門部署ができたと伺いました。この1年は、特にどんな点に力を入れてきたのでしょうか。

西條社長(以下、西條):イクボスのセミナーを集中的に開催しました。昨年秋に「イクボス企業同盟」に加盟したタイミングでまずは役員、その後に本部長、部長、課長と役職者を全員網羅したので、ついこの間やっと終わったところです。約600人参加しました。セミナー終了後は一人ひとりに自分の言葉で「イクボス宣言」をしてもらい、イントラ上で公開しています。セミナーには出張と重なった2回を除いてすべて出席し、冒頭で毎回話をしました。その時の反応が印象に残っています。

――それはどういったことでしょうか。

西條:私の話を聞いてうなずいているのが、意外な人たちだったんです。会社の中には、ちょっと斜に構えて物事を見ているような人っていますよね。そういう人たちがうなずいてくれたんですよ。「これからの3時間のセミナーで、この人たちは何かしら気づいてくれるかな」といううれしさがありました。実際、この1年でいろいろ発信してきたことが着実に浸透し、社内によい変化が起きつつあると感じています。

西條 洋氏
1979年名古屋工業大学卒業。同年日立コンピュータコンサルタント(現 日立ソリューションズ)入社。2005年日立システムアンドサービス(現 日立ソリューションズ)産業システムサービス事業部オープンソリューション本部 担当本部長。11年執行役員。13年常務執行役員。14年専務執行役員。15年日立ソリューションズ・クリエイト 代表取締役 取締役社長 社長執行役員

――社長のお話の内容はどんなものだったのか、教えてください。

西條:イクボスは「仕事も家庭も含めてイケてる上司」だと私は言っているのですが、イケてるかどうかは周りが判断することですよね。だから、「あなたは必ず背中を見られているし、あなたも上長の背中を見ているはず。背中を見ればその人がどういう人か分かるもの。あなたたちも見られても恥ずかしくない人たちになってください」というような話をしました。

 私はこの会社に来て2年半の間、ずっと思っていたことがあります。それは、社員の一部にはおとなしく、あまり目立たないようにしているのが楽だという考えの人がいるように見えます。もちろん大部分はよくやっているのですが、これまで数社の合併を経てきたという成り立ちもあり、きっと過去に何か上から押さえつけるようなものがあったのではないかと思います。それをどんどん取っ払ってあげたいという思いで、これまでやってきました。