――エナジーマネジメントとは、自分のエネルギーをマネジメントするという考え方ですね。

黒川:そうです。限られた時間のなかで、自分の体力とエネルギーをいかに効率よく使うか。食事・睡眠・運動などにより、エネルギーをコントロールすることで、仕事と私生活を充実させるためのスキルを身につける。そのために、「Energy for Performance in Life」というトレーニングを全社員が受講します。どういう食事の取り方をすればビジネスアスリートとしてパフォーマンスを最大化できるのかなど、具体的な方法を学ぶわけです。

 また、生産性を追求するためのスキルアップトレーニングとして、食生活や英語、マインドフルネスメディケーション、営業のワークライフバランス、エクセルなど、全部で9つのセッションを設けており、専門知識を持つ社員が講師となって教えています。どのセッションも申し込みがすぐに埋まるほどの人気です。

マインドフルネスメディケーションのセッションの模様
マインドフルネスメディケーションのセッションの模様

――例えば「営業のワークライフバランス(WLB)」では、どのようなことを?

黒川:「営業にはWLBは関係ないと思っていませんか?」と題し、ある営業所の所長のベストプラクティスを紹介しています。実はこの営業所というのは、最も残業時間の多かった部門のひとつでした。彼が働き方を変えたきっかけは、あるイベントに参加した際、他のメンバーとの話の中で、どうやら自分の事業部の働き方は普通ではないのでは?と感じたことでした。そこからチーム内の働き方改革に着手し、「断捨離」で業務を効率化、夜8時までに全員が仕事を終えて帰宅するという働き方に変えました。ですが、それによって営業成績が下がるどころか、全国の営業所で第2位という実績を上げているんです。

――残業時間を減らしても業績はアップしていると。

黒川:これは、この部門に限った話ではありません。残業時間は減っているけれど、会社全体の売り上げは伸びています。もっと細かな分析が必要ですが、「長時間労働はアウトカムに関係ない」と実感しています。

――ほかにどんな成果が出ていますか。

黒川:会社が設定しているKPI以上に残業者数が50%削減、また、傷病休職者が2014年よりも44%も削減しました。